次々と塗り替えられています。
そんな折、国際水連は来年から高速水着の使用を禁止とする
見解を発表した。
一般的に高速水着と呼ばれているのは、スピード社の「レーザーレーサー」に
代表されるラバー製・ポリウレタン製の水着の事で、水を弾いて
抵抗を少なくしようと言う物だ。
北京オリンピックの時に採用され、世界新記録ラッシュとなった。
日本選手は、認定されたメーカーが違う為に、レーザーレーサーを
着れるのかどうかで問題となったほどだ。
今大会でも、誰が何処の水着を着るかと言う話題が先に出てくるほど、
水着の問題は大きくなっていた。
はっきりした因果関係は無いものの、好タイムを出した選手が
この高速水着を来ていたケースは多い。
ここまで水着がレースを左右するようになったのでは、
はっきり言って公平な試合とは言えなくなって来た。
選手も、好記録を出すと水着のお蔭のように言われ、北嶋選手は
「水着のことよりも、自分の泳ぎを見て欲しい」とまで言った物だ。
国際水連がはっきりとした基準を示してこなかったのが一番大きな
問題だったのだが、やっと過熱化する水着競争に終止符を打ったことになる。
とは言え、誰が着ても記録が出るわけではなく、ある水準に達した
選手が着るから意味があるのだが、貧しい国やスポンサーなどの関係で
着たくても着れない選手がいるのも確かだった。
ラバー系の水着の着用を禁止し、水着で覆う部分も決めたのは
ある意味画期的な判断なのかも知れない。
男子は腰から膝までとし、全身水着は禁止となる。
昔は、少しでも早くなるだろうと、スキンヘッドにしてみたり、
全身の毛を剃ってきた選手もいた。
人間の力の限界を争う競技なのだから、水着で競っていた今の状況には
違和感を持っていた。
誰もが同じ条件で争ってこそ、タイムレースの面白さがあるというものなのだ。
ルール変更後は、世界新記録の数は少なくなるだろうが、
選手の努力によって必ず記録は塗り替えられるだろう。
その時には、心から賞賛の拍手を送りたいものだ。
人間のもつ可能性は、道具に勝ると信じている。


ブログのトップページへ