2005年07月13日

アスベスト(石綿)問題について

アスベスト被害のニュースをよく耳にしますが、
ここで一つ言っておきたい事があります。
今問題になっているのはアスベスト(石綿)です。
現在では建材には殆ど使われていません。

よく間違われるのが岩綿(ロックウール)です。
“石”と“岩”
同じようなものじゃないのか?
これも発癌性があるのでは・・・


見た目は殆ど見分けが付かないくらいに
同じようなものです。
ところが石綿と岩綿は全く違うと思ってください。
問題になっているアスベスト(石綿)は天然の鉱物繊維、
岩綿は工場で作られた人造の鉱物繊維です。

岩綿の繊維の径は、石綿の数十倍から数百倍で
体内に
吸収されにくく、万一体内に入っても生体内で溶け易いので
そのまま体外に排出されます。

発癌性はIARC(国際ガン研究機関)によって
1.発がん性がある(例)アスベスト・タバコ・ダイオキシン
2A.おそらく発がん性がある(例)クレオソート・ディーゼル排ガス
2B.発がん性がある可能性がある(例)コーヒー・わらび・ガソリン
3.発がん性について分類できない(例)ロックウール・お茶・カフェイン
4.発がん性がない(例)カプロラクタム(ナイロン原料)
以上の5段階に分けられており、ロックウールはお茶やカフェインと
同じ「4」に位置します。
ですから、今のところは安全なのです。

僕は、岩綿業界の回し者ではありませんが(笑)
マスコミの報道は恐怖感ばかりをあおっている様で
皆さんが誤解しないようにと思ってこの記事を
書いています。

石綿の使われ方と岩綿の使われ方は、殆ど同じなんです。
ですから現在鉄骨構造の耐火被覆(鉄骨を熱からある時間守る為に
吹き付ける物)として岩綿は使われています。

1960年頃から石綿が吹付け材として使われ始め、
1975年には公的に禁止されました。
しかし、1970年ごろから岩綿に石綿を混ぜたものを使うようになり
実態は分からなくなっています。
この頃は石綿の含有率が5%未満であると石綿含有と
言わなくても良かったのです。
1988年頃までは石綿を含んだ岩綿吹付けは一部あったと
考えられます。

90年代からの岩綿吹付けには含まれていないようです。
(正確な線引きは難しいですが)
なので、この石綿状の物を見たらすべて危険だとは限りません。
また、現在でも良く吸音材として使用している
岩綿吸音板(主に天井で使用)にはアスベストは
含まれていません。
風評被害的な事にならないように、しっかりとした判断を
してもらえると書いた甲斐があります。

それと、岩綿の建材にはシックハウス対策もF☆☆☆☆で
使用面積の制限を受けない物が殆どです。
と言うか現在の建築材料は殆どこのF☆☆☆☆の認定を取っています。
そうでないと売れないですからね。

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posted by ツボ at 14:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築家・設計事務所 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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