日本一に輝いた。
しかも、この大舞台で山井〜岩瀬の継投で日本ハムをパーフェクトに
抑えての勝利となった。
この継投策は、名采配とも非情とも言われる、今後語り継がれる
采配となったであろう。
途中味方のファインプレーにも助けられ、8回までパーフェクトに
押さえていた山井投手。
中日のリードは僅かに1点だった。
この日の山井投手は、ギリギリではなく比較的安定間を
持って投げていた。僅かあと3人を抑えれば史上初の日本シリーズでの
パーフェクト試合となる。
もともとパーフェクトは、公式戦でも13年前の槙原投手以来出ていない。
ましてや、日本シリーズで、しかも優勝を決める試合となれば、
多分今後二度と起こらないであろう事だった。
そこをあえて勝ちにこだわって、中日のスタイルである
抑えの切り札岩瀬投手に交代させたのだ。
落合監督が、今年は日本シリーズ制覇に駆けてきたのは、
この采配に良く表れている。
個人の記録よりも、チームの優勝にこだわったのだ。
山井投手以上に厳しい選択をしたのだと思う。
が、しかし、日本のプロ野球を考えた時に、この決断が正しかったと
言えるのかは疑問が残る。
交代で出てきた岩瀬投手にかかるプレッシャーも相当な
ものだったであろう。もし自分が打たれれば、何の為に交代したのか
分からなくなる。山井投手のパーフェクトを止め、落合監督の
采配さえも間違いだった事にしてしまう。
結果的には、3人できちんと締めて、継投でのパーフェクトを
達成した事になったが、本当に一か八かの賭けだったであろう。
個人的に言えば、一人でもランナーを出した時には交代させると
言うことで良かったのではないだろうか。
結果的にもし負けたとしても、3勝2敗でまだリードしている。
敵地札幌に行く事での不利はあっても、リードしている事には
変わりは無い。ここで、去年負けていると言う事が余裕を
無くさせていたのだろう。
日本一を逃したくないと言う事。それはチームの悲願でもあり、
落合監督の個人的な希望でもあったのではなかったか。
恩情で負けたといわれるかもしれないが、あそこではチャレンジ
させるべきだったと思う。
日本のプロ野球至上に、永遠に輝く記録となったかもしれない。
言葉は悪いが、今年中日が優勝したことなど、何年かすれば
記憶の片隅に消されてしまうもの。
しかし、優勝を決めたパーフェクト試合は、永遠に記憶に残っただろう。
達成出来たか、出来なかったかは、今となれば永遠の謎となって
しまったが、そのチャンスを奪ってしまったことだけは
確実に事実として残ってしまったのだ。