成功したと発表した。
これは皮膚の細胞に4つの遺伝子を入れる事で、さまざまなものに
変化する万能細胞となる物を作れるらしい。
これまでは受精卵から作るES細胞が、この万能細胞として
知られていたのだが、受精卵の破壊する事によって作られる事から、
倫理的な問題もあった。
移植後の拒絶反応も避けられなかった。
しかし、今度のiPS細胞は自分の皮膚から作るので、拒絶反応も無く、
倫理的な問題も無い。
将来の再生医療にとって、素晴らしい発見となったのだ。
これにより、脳も作れる可能性から、アルツハイマーや
パーキンソン病の治療に役立つのではないかと思われている。
ただし、このiPS細胞にも問題が無いわけではない。
皮膚細胞は自分自身のものであり、自然なものなのだが、
それに組み入れる4つの遺伝子は、外部から入れるものであり、
自然な状態のものとはならない。
つまり遺伝子を入れて操作した細胞であり、将来どうなるのか
まだ分からないのである。どう変化して行くのかが。
開発した京大チームの山中教授も、そこのところは慎重に
見て行きたいと話している。
技術的には、数年とは言わず、数ヶ月ででも使えるものとなって
いるらしいのだが、人の体を造るなど神の領域になるわけで、
まだまだ研究を重ねてからになるのだろう。
誤解を恐れずに言うならば、今の医学の発展は果たして人類の為に
良いのだろうかと疑問を持つときもある。
丁度今日のニュースで、日本の75歳以上の人口が1割を超えたと発表された。
10人に1人以上が75歳以上の高齢者なのだ。
これは素晴らしい事なのだが、社会のシステムがそれに追いついて
いないのも現実です。
高齢者社会と医学の進歩。
繋がっている事なのだが、どこかで社会が付いて行っていない。
年を取る事の苦しみには、体の老いに対して頭が付いて
行かない事もあるのだと言う。