セルビアからの独立宣言を採択した。
サチ首相は議会で「人々に選ばれた指導部はコソボが独立した
統治国家であることを宣言する」と独立宣言を読み上げ、
議員全員が挙手し宣言を採択した。
この独立宣言を受けて、米英仏独などの欧米主要国は速やかに
今日18日にも国家承認する方針だが、独立に難色を示していた
セルビア政府は強く反発している。ロシアも反対の意向だろう。
既に新しい国旗も決っており、近く憲法も採択される見通しだ。
この憲法の中で、アルバニア系住民が約9割を占めるコソボにおける
セルビア系住民(約8%)の保護や、隣国アルバニアなど他国との
合併を放棄するなどの文言が盛り込まれるようだ。
一方、セルビアのコシュトニツァ首相は17日、「コソボは
ニセモノの国家を作ろうとしている」と強調し、独立を認めない
考えを示した。
更にセルビアは、コソボに制裁を科すことをすでに表明しており、
コソボを承認した国の大使を召還するなどの外交措置もとるとも言う。
日本は、コソボ独立に関しては中立の立場を維持してきたが、
2001年から自治州に対して毎年約4000万円の政府開発援助(ODA)を
供与してきた実績もあることから、独立を承認する為に
近く閣議決定をしコソボの独立を承認するものと思われる。
コソボは98年のアルバニア系住民とセルビア人の民族紛争激化から
10年を経て、独立国として歩みを始めることとなる。
社会主義体制だった旧ユーゴスラビアの解体は最終章を迎え、
スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、
セルビア、モンテネグロ、コソボの7カ国となる。
しかし、セルビアの強硬な姿勢が続けば、またいつ紛争が起こるか
分からない状態だ。
それぞれの思惑が交差する中で、平和に向けての第一歩は確実に
踏み出されたのだ。
今後、大国が見守りながら平和の維持ができる事を願います。
もう二度と悲しい時間が流れないように。