挑戦していた伊達公子は、今日行われたシングルスの決勝で
タイのタマリネ・タナスガーンに6-4、5-7、2-6で敗れ、
準優勝に終わった。
しかし、同日に行われたダブルスでは奈良くるみと君で
フルセット、タイブレークの末にニコル・タイセン(オランダ)、
メラニー・サウス(英国)組を破り優勝したのだから凄いものです。
現役引退後は、選手の育成に励み、将来の選手を育てようと
キッズテニスのスクールなどで教えていた。
テニスから全く離れていないとしても、試合での勘は衰えていたはず。
ツアーの緊張やプレッシャーは、その場に立たなければ取り戻せ
ないのだが、かつて世界ランキング4位まで登った伊達は、
やはり並みの選手ではなかったのだろう。
いきなり出た今回の大会で、予選から勝ちあがって行く事で、
一戦一戦で勝負勘を取戻してきた。
それなりのところまでは行けるかもと思っていたが、まさか決勝まで
進むとは思っていなかった。
ここまで来ると優勝するのではないかと言うくらいの勢いで
今日の決勝に望んだ。
第1セットを取った時には、見ている誰もが伊達の優勝を夢見た
のではないだろうか。
こうなると現役のプレーヤーは何をしているのだ!
と言われそうだが、伊達の持つ才能がどれだけ凄いかと言うことだろう。
実際に近くで伊達のプレーを見る事で、他の選手たちも刺激を受け、
伊達に続く選手が出てくる事を望む。
事実、伊達の引退後に頭角を表してきたのが杉山愛選手で、
伊達がいる時には陰に隠れてしまっていたが、自分がトップに出て
引っ張って行かなければならなくなってからは、今日まで日本の
女子テニス界を牽引してきた。
伊達が現役復帰を考えたのは
1つ目には
「テニス界に感謝」
そして2つ目は
「世界のトップで戦える日本人が早く育ってほしい」という願い。
と同時にプレイヤー達に刺激を与えたい。そしてテニス界の活性化。
3つ目は
私自身、「チャレンジ」することが好きだと言うこと。
この3点を自身のブログの中で書いている。
更に、夫ミハエル・クルム氏が昨年5年ぶりにフォーミュラー・ニッポンに
参戦し戦う姿を見て、年齢やブランクには関係無いと感じたのも
大きな後押しとなったようです。
これからも国内大会に出場して活躍して行くと思いますが、
若手の選手達も成長して、伊達を抜く選手が出てくることを
楽しみにしています。
男子の方でも、錦織圭選手がATPツアーで優勝し、世界ランキング100位以内に
入った事で、一つの壁が破られた感がある。
強い選手が出てくると、ライバルの選手が出てくるもので、
全体のレベルが上がってくる。
僕も昔、中学で軟式、高校と大学の途中までは硬式をやって
いたのだが、その当時の日本は世界ではランキングからは程遠かった。
男子は神和住純選手が、女子では沢松和子選手が頑張っていた。
その後、松岡修三選手がランキングには入ったものの、世界との差は
縮められなかった。
それがここに来て急に男子・女子共に世界レベルの選手が出て
来たのだから面白くなってきた。
これからの日本テニス界には注目してみたいところです。