なので記事の内容も先週の事です。
用事が終わり、天気も良いのでサイクリング日和。
ふと気が付くと、建築家吉田保夫さんのアトリエの近く。
「建築家」と言うより「アーティスト」といった方が良いでしょう。
吉田さんの作る物は、総てがアート作品になります。
細かいところの細工が見事なんです。手作りですから。
しかし、今は建築よりも古楽器の製作に嵌っていて、新しい建築は
目にしていないです。
昔はよくアトリエを引越ししたりしていたし、神出鬼没な人なので
留守かも知れないと思いながら訪ねたら、なんと居るではないですか。
アトリエも以前のところにあったし(笑)
突然の訪問にも快く迎えてくれました。
吉田さんとは、前の会社の時からの知り合いですが、何となく縁のある人で、妻とはまた違うルートでその前から知り合いでした。
僕が10年間担当していた「SDレビュー」の大阪展ではいつも協力して
もらっていましたし、何かあると呼んでくれたりして面倒を
見てくれていました。
不思議な縁がある人です。
いきなりギターの元となる楽器「リュート」を創り出したところから
楽器創りが始まって、今ではバイオリンやチェンバロを創って
いるというから驚きです。
他にもいろいろな楽器を創っています。
「楽器の職人」ではなく「楽器のデザイナー」だと言っていた。
そこには吉田さんのこだわりがある。
新しい物、新しい音を追求しているのだろう。
吉田さんは、もともと楽器などまったく演奏も出来ないし、
ましてや楽器を創るという知識もありませんでした。
でも、この人の“勘”と探究心には並外れた物があり、
すぐに自分の物にしてしまいます。
その移り変わりにも目を見張ります。
最初に作ったというリュートと、それから数ヵ月後に創った物とは
明らかに響きが違っていました。
その頃から、関西のリュート奏者から注文を受けるようになり、
今では古楽器奏者の口コミにより全国から注文が来ているようです。
かつては、「鉄とコンクリート」でデザインしていた人が、
今は「木」を使って楽器を創っている。
かれこれ20年になると言っていたから、時の経つのは早い物です。
丁度、リビングの扉を依頼した時に、鉄と木で創ってくれた。
この頃から「木」に惹かれて行ったのではないかな?
楽器を創り始めたのがその少し後位からですから。
以前の建築をやっている時に比べて、表情が少し穏やかになり、
楽に楽しんでやっているように見えた。
年齢のせいもあるかもしれないが、今の楽器創りの方が
吉田さんには合っているんじゃないかな。
そんな気がする。
久しぶりの再会でしたが、ほんわかとした楽しい時間でした。