佐渡さんが、広い宇宙の中で地球には“歌”と言うものがあるんだと
いう気持ちを込めたものです。
オープニングでは、4人のソリストたちが、それぞれ各国の代表的な歌を
歌って登場する。
中でも今年のテノールは素晴らしかった。
声にハリがあり、“まさにテノール”と言った印象だ。
これに引き続き今年のゲストのケミストリーが登場。
今年は、ゲストの時にフルオーケストラの演奏は無かった。
最初はピアノで新曲「恋する雪 愛する空」を披露。
2曲目は、ストリングスだけを入れて唱歌「冬の星座」を
一万人の合唱団と歌った。
これは、簡単なコーラスだったので問題は無い。
そして、3曲目には心配だった「約束の場所」
この曲は、全国のブラスバンドに演奏して欲しいと言う事で、
ブラスバンド用にアレンジして全国550校に楽譜を配ったらしい。
淀川工科高等学校(通称:淀工)から、吹奏楽部の100人が演奏を行った。
とにかくもうやるしかないので、楽しく精一杯やるしかない。
手拍子をしながらコーラス。
おっ!今までと違ってテンポ感が出てきたぞ。
ケミストリーの川畑君も踊っているじゃないか。
やっとコーラスになった。
リハーサル、ゲネプロとノリが良くなかったけど、本番でやっと形になった。
ホッとした。。。。。
上手く行かなかったらケミストリーに申し訳ないと思っていた。
終ってからのコメントでも、「感動した」と言ってくれたようで、
本当に良かったと思う。
これで無事に第一部が終了した。
30分の休憩を挟んで、いよいよ第二部の“第九”が始まる。
ステージは、フルオーケストラのセッティングに変わっている。
演奏者が着席し、燕尾服に着替えた佐渡さんが入ってくる。
第九の演奏が始まった。
合唱では、とても早いと感じた佐渡さんだが、第一楽章から
第三楽章まではとてもゆったりとした大きな音になったいる。
こうして毎年演奏を聴いていると、素人ながら少しずつその年によって
音が違うのが分かる。
第三楽章が始まる前に、4人のソリストたちが入ってスタンバイする。
開場後方からは、司会の小倉さんとケミストリー達がそっと入って来て、
それまでダミーで座っていた女性と交代する。
空席が無いように座らせておいたのだろう。
第四楽章に入り、聴きなれたメロディーが流れる。
みんなに緊張感が漂った。
ゲネプロで注意された立ち上がりが近づく。
ファンファーレは鳴り響き、一斉に立ち上がる。
バリトンのソロに続いて、今年の合唱団の第一声、男声合唱の「フロイデ!」
ピシッと決った。
今年もいけそうだ!
前半の合唱は今までの最高の出来だった。
殆ど乱れも無く、一万人が本当に一つになっている気がする。
本番の集中力とは凄い物だなと感心した。
今年は喉の調子もまずまずで、リハーサルから結構声が出ていた。
後半の高音の部分を、そのまま出すか、ファルセットにするか迷った。
その時の感じで行くしかないなと決めて唄い続けた。
フーガに差し掛かって合唱がやや乱れ始めたが、何とか
持ちこたえて終盤に。
いよいよ今年の佐渡さんの指揮が早い部分に入って来た。
「ダイネ ツァーベル」
ゲネプロでも指摘されていたが、ソプラノが遅れている。
はっきりわかるくらいに。
と、その時
佐渡さんの指揮がおかしい?
「アッレメンシェン」の入りがタイミングが変だ。
一瞬、指揮が分からなくなる。
後から想像すると、遅れているソプラノを待って、佐渡さんが咄嗟の判断で
半テンポ増やしたのかも知れない。
ただこれは推測であって、実際は何も無く普通にタクトを振っていて、
僕の方が間違えていただけかも知れない。
佐渡さんだけが真相を知っているのだろう。
次の「ザイトゥム シュルンゲン」も早い。
早口言葉のように言葉を繋げる。
意外と発音できる物だなと、自分で感心してしまうほどの速さ。
何とかまとまって最後のパートになった。
「フロ〜〜〜イデ シェ〜〜〜ネル、ゲ〜〜〜ッテル フンケン」
結局ファルセットになっていた。
やはり表の声で歌いきるには、発声練習を積んでいかなければ
無理のようだ。
でも、ファルセットもしっかりした声が出せるようになったと思う。
これはこれで進歩したんだな。
唄いきった後は、満足した脱力感が漂う。
最後の演奏を聞きながら「今年も終わった」と思った。
「蛍の光」を唄いながら、小倉さんのメッセージを静かに聴く。
また来年歌えれば良いな。
みんなとも、一年のお別れだな。
さて、この後は清原クラスの打ち上げが待っている。
僕は今年は違うクラスなのだが、打ち上げには参加させてもらっているのです。
これがあるから楽しいんですよ。
一部には、こっちが“本番”だと言う声すらあります(笑)