日本人の盲目のピアニスト辻井伸行さんが優勝した。
このコンクールは、冷戦時代にソ連(現:ロシア)で行われた
第1回大会で優勝したアメリカのピアニスト ヴァン・クライバーンを
祝して4年に1回テキサス州フォートワースで開かれている
超難関と言われているコンクールです。
日本人としては初めての優勝で、これまでの日本人最高位の
2位の記録を40年ぶりに更新したことになる。
しかも、辻井さんは生まれつきの全盲なので、その偉業は
想像をはるかに超える物でしょう。
盲人と言う事が先に出てしまうのは否めませんが、その実力は
目が見えるとか見えないとかまったく関係ないほどのものです。
楽譜を見る事も無いので、すべての音が彼の頭の中に記憶され、
指がその音を奏でるのです。
多分、名ピアニストと呼ばれる人は、楽譜はすべて頭の中に
入っているのでしょうが、演奏しながら視界の中に鍵盤は
時々入っているのではないでしょうか。
それすらも無いのですから、辻井さんの演奏がどれ程の感覚で
弾いているのか想像すら出来ません。
その演奏する姿は、喜びに満ち溢れ、ピアノと戯れているかの
ような感じです。
練習の時にも、辛いと思った事がないというから、ピアノが弾ける事が
彼にとってどれほどの希望と夢を与えていたのだろうか。
暫くは「盲目のピアニスト」という前置きが付いてしまうでしょうが、
その内にそんな物は関係なく、彼の演奏そのものが評価される
ようになる事でしょう。
まだ20歳と若いので、今後の活躍が楽しみです。
これからは、演奏に対して後から冠が付いてくる。
そんな活動に期待したいです。
辻井伸行さん、この度はおめでとうございました。