崩壊していから20年となる。
第二次世界大戦後に、資本主義国が支配する西ドイツと、
社会主義国が支配する西ドイツに分断統治されていた。
冷戦時代に物資の流通などを巡り、東ドイツ国民が西ドイツに
亡命する事が多くなってきた。
結果、西ドイツをぐるりと囲む形でベルリンの壁が建設され、
東西ドイツは自由に行き来する事が出来なくなってしまった。
その間に、東西ドイツの経済格差は広がり、西ドイツは国際社会の中で
発展をしていった。
東ドイツ国民の西への亡命欲求は強くなり、ピクニック事件と呼ばれる
出来事をきっかけに、ベルリンの壁は事実上無意味となった。
溜まっていた不満をエネルギーに、東ドイツ国民のデモが大きく広がり、
政府も海外旅行自由化法案を作らざるを得なくなった。
その法案が11月9日に可決され、翌10日に施行する予定だったが、
間違って生放送の会見で解禁と報じてしまった。
それを見た国民が壁に殺到し、大きなうねりによってベルリンの壁は
あっという間に崩壊する事になった。
当時テレビでその様子を見ていたが、世界が動きかけているという感覚で、
中継に釘付けとなっていたのを覚えている。
ベルリンの壁は完全に無くなってしまったが、生活はがらりと
変わったのではないようだ。
相変わらず、旧東ドイツは経済的には苦しい。
以前の方が、みんなが平等でそれなりの暮らしが出来ていた。
資本主義の波にのまれて格差社会が始まった。
上手く波に乗った者は、チャンスを活かして裕福となり、
乗り損ねた者は前よりも苦しい生活を送っている。
実際何がその人にとって幸せだったのか分からない。
20年も経った今でも、東西ドイツがまったく同じような社会に
なっていない事は、当時は想像していなかっただろうし、
これからも埋まらない問題なのかも知れない。
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