名前は知っていたけど具体的な内容は知らなかった。
昔から、ウチの彼女が見たがっていたけど、テレビでも殆ど
放送される事が無かったので、見る機会がありませんでした。
この映画が公開されたのが1960年。
なんと50年前の映画なんですよ。
そこで、去年50周年を記念して、完全修復ニュープリント版として
9月から各地で公開されたのです。
大阪では、マイケル・ジャクソンの『This is it』と重なっていて、
最終日に何とか行って来ました。
あらすじは、初めてパリにやってきたザジが巻き起こす冒険の物語。
このストーリーが、本当にメチャクチャ。
ザジを連れてきたお母さんは、実は恋人に会うのが目的で、
駅に着くなりザジを残して恋人と行ってしまう。
そこに迎えに来たガブリエル叔父さんと家へと向う。
ザジが一番楽しみにしていたのは地下鉄に乗ること。
でも、丁度地下鉄はストライキをやっていて閉鎖中。
ガブリエル叔父さんは、ナイトクラブの芸人で、どうもオカマちゃんのようだ。
その奥さんが、当時の美人を絵に書いたような綺麗な人と言うのも
設定が面白い。
感情をあまり表に表さないので、まるで『ブレードランナー』に
出てくるレプリカントのようにも見える。
次の朝、ザジは一人で街の冒険に出る。
そこで出会った一人の紳士がザジを連れてレストランで
食事をさせたり、蚤の市で買物をしたりする。
これは誘拐事件ではないかと思うのだが、そこは映画の世界(笑)
逃げ回るザジを追いかけて、ドタバタ喜劇が始まる。
この辺りのシーンを見ていると、チャップリンの映画を思い出す。
時代のコメディーなのかも知れない。
その後の日本の「ゲバゲバ90分」やドリフの「8時だよ、全員集合」にも
影響を及ぼしたと思われる。
小さい頃に見ていたコメディーは、ここから来ていたんだなと思った。
叔父さんの所に帰ったザジは、今度はエッフェル塔に連れて行ってもらい、
ここでも逃げるようにして歩いて下りて行く。
叔父さんのショーやら結婚パーティーなどで、メチャクチャな
騒ぎが起こり、会場はグチャグチャに壊れて行くが、これなどは
まさにドリフのエンディングと同じ。
疲れたたザジは、何も知らずに眠り込んでいる。
最後は警察か軍まで出動して大混乱となる。
ザジを抱えて地下に逃れた叔父さんは、ストが終って動き出した
地下鉄に乗って家に帰る。
やっと憧れの地下鉄に乗れたのにザジは眠ったままだ。
次の朝に気が付いたザジは、お母さんとの約束の時間に駅に戻り、
結局そのまま帰って行く。
ストーリーだけを考えると、メチャクチャな展開だが、
コメディーの原点を見た感じと、ザジの屈託の無い笑顔が
印象的な映画です。
何も考えずに楽しんだ方が良いでしょう。
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