話題は女子フィギュアの集中しがちだが、今の男子もかなりの激戦で
楽しみな競技の一つだった。
日本人3人を含み、優勝候補がずらりと揃っている。
最有力のライサチェック(選手の表記は省略します)、
ジョニー・ウイア、ランビエール、パトリック・チャン、
ジェレミー・アボットだけでも大変なのに、引退したはずの
プルシェンコとジュベールが参戦してきた。
高橋は、大怪我をして膝にメスを入れ、一昨年は試合に
出れない状態から、昨年復帰しオリンピック代表に選ばれた。
辛いリハビリに耐え、結果として間接の可動域が拡がると言う
良い方向へ変えて行った。
ショートプログラムでは、上位3選手が頭一つ抜けており、
結果その貯金を保ってメダルを獲得した。
フリーでは、4回転ジャンプをするかしないかがメダルを
決めるとまで言われていた。
4回転を得意とするプルシェンコは、当然のごとく飛ぶと公言。
高橋もここまで来たらチャレンジしたいと意欲を示していたが、
ライサチェックは4回転に難色を示していた。
小塚は、見事に4回転を決めたものの、後半は疲れの見える演技となり、
8位入賞に留まった。
織田は、4回転を回避し、確実な演技に努めていた。
終盤に、シューズの紐が切れて演技を中断すると言うアクシデントが
あったが、最後まで演技を続け7位となった。
実は、紐は以前から切れていたらしいのだが、新しい物に取り替えると
馴染まないと言う事から強行する事にしたようだ。
結果的に試合中に切れてしまうという最悪の事態となってしまった。
シューズの紐は、素人が考えるほど簡単な物ではなく、
非常に微妙な感覚なのだと改めて感じた。
高橋は果敢に4回転にチャレンジし、転倒してしまったものの、
その後は何とか取戻しやりきったと言う感じだった。
今年は試合でも調子が悪く、前日の練習で成功した1回目のチャレンジで
良い感じを残したまま封印した。
プルシェンコは、他の選手に見せ付けるかのように、リンクに遅く入って
4回転を一発で決め、そうそうに引き上げた。
ここで既に戦いは始まっているのだ。
本番でも4回転は飛んだものの、3連続ジャンプが出来なかったり、
演技にも精彩を欠いていた。
ショートでも緊張したと言っていたが、プルシェンコらしい
華麗な演技ではなく、何処と泣く投げやりな感じがしていた。
王者の貫禄を見せているようだったが、逆にそれだけ緊張して
いるのではないかと思った。
技をやれば得点は稼げると言う計算だったのかもしれない。
一方、ショートで2位となったライサチェックは、4回転の大技は封印して、
他の技を完璧にすると言う作戦に出た。
これは、前回の女子で荒川が取った作戦に似ている。
リスクを避けて、確実な演技をする事で得点を重ねて行くと
言う手法だった。
その分、ライサチェックの演技には余裕が有り、長い手足を使った
表現も見る者を引き込むものだった。
ジャッジにも好印象を残して演技を終る事が出来る。
大技を競い合うようになれば、軽業師のようなものとなり、
表現が雑になりかねない。
今回のプルシェンコの演技が、その典型のような物だ。
この後に控える女子の方も、ジャンプの成功が鍵となりそうだが、
ジャンプよりも表現力に力を注ぐキム・ヨナと浅田、安藤の演技の出来が
勝敗を分ける事となる。
演技に派手さは無いが、鈴木の存在もダークホースとなるかもしれない。
丁度、トリノの時の荒川的存在だ。
今後採点方式がどうなるのか。
多分また変るのではないかと思われる。
選手たちはその都度振り回される事となる。
話を戻すと、日本の3選手は揃って入賞すると言う快挙を果たした。
これは、男子フィギュアにとって輝かしい結果だ。
これからも男子は戦国時代が続いて行きそうだ。
高橋は、重い扉を開いて歴史を変える一歩を示した。
若い選手も次々と出てくるだろう。
日本人選手だけではなく、他の選手たちにも拍手を送りたい。
女子も終った後の、エキシビションが非常に楽しみであると同時に、
なんと豪華な顔ぶれなのかと、直に見れる人が羨ましくなる。
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