2010年03月18日

歩行者と自転車の分離 社会実験

不況の影響と健康の為に自転車に乗る人が増えています。
僕も、日頃の運動不足解消の為に積極的に自転車に乗っています。
乗り始めた時には、長い間変わらなかった体重があっという間に
落ちてベスト体重に戻りました(笑)
いかに運動というものから縁遠くなっていたかを、思い知らされた
結果となりました。

自転車に乗る人が増えてから、歩行者との事故も増えてきています。
スピードが一番大きな問題でしょうが、転び方によっては
大きな怪我になることもあります。
死亡事故も起きているようで、社会問題となってきていました。

そこで、全国で歩行者と自転車を分離してみると言う社会実験を
行っているようです。
大阪でも、国交省と大阪国道事務所とが一緒になって始めています。
御堂筋でもやっているようですが、僕は桜ノ宮近くの国道1号線、
空心町(東天満)と銀橋の間の歩道で見かけました。
ちょうどそろそろ桜の季節となるこのあたり、歩行者も増えてくるので
良いタイミングかもしれません。

広い歩道を二つに分離して、片方を歩行者、もう片方を自転車専用として
動線を分けるという方法です。
間にはパイプの柵で仕切っています。
出入り口に警備員が立って誘導をしていますが、初めての人は
何かわからずそのまま行ってしまう人もいます。

考え方としては良いのですが、多少問題点もありそうです。
自転車は車道よりの部分、歩行者は車道から遠い方に道を
設定しています。
車→自転車→歩行者ということでしょうが、問題なのは
その間にバス停がある場合です。
今は短い区間で行っているのですが、それでも1箇所バス停があり、
そこはバスの乗り降りで自転車レーンを横断します。
普段はバスの乗り降りをする人が少ない停留所なので、
ほとんど問題なさそうに見えるのですが、乗降客の多いところなどでは、
バスを待つ人はどこで待つのか?
バスから降りてくる人の中には、左右をまったく見ずに
飛び降りてくる人もいて、結構怖い思いをした人も多いはず。
かと言って、歩行者を道路よりにしたらとも言えないのですが、
バス停での問題は出てきそうな気がします。

それともう一つは、これができるのはかなり広い歩道のところだけということです。
今やっている歩道はかなり広くて、半分にされたレーンでも、
自転車は楽にすれ違ったり、追い越しもできます。
でも、それくらい広いので分離しなくても歩行者と自転車が
ぶつかりそうなことも少ないのです。
危険な歩道は逆に狭い歩道のほうなのです。
普通の歩道はせいぜい3メートル程度。もっと狭い歩道も沢山あります。
こちらを二つに分けると大変な状況になります。
肝心な狭くて危険な歩道はできないで、広くて安全な歩道だけすると
言うのもなんだかおかしな感じです。

それと、柵はある区間ずっと続いていて、途中で自転車が
用のあるところに行こうと思うと抱えて柵を越えるか、手前から
自転車を押して歩行者のレーンを行かなくてはいけないということになります。
今やっている歩道では、そういう店などがない場所なので、
問題はなさそうに見えています。
これは何か意図的なものを感じてしまうのは考えすぎでしょうか。

レーンの入り口には、警備員やボランティアの人が立って
誘導をしているのですが、それだけで歩行者や時点の数を
カウントしている様子もありません。
誰がこの結果を評価するのでしょうか。
アンケートでもとって感想を聞いてまとめるつもりなのでしょうか。

やったという事実を作って、結果はもう想定しているのではないだろうか。
イメージで考えていることと、現実の間にずれがあるような気がしてならない。
いつもそうだが、本当に必要なところは何もせず、見栄えのする
ところだけにお金を入れる。
そんな政策にならなければ良いのだが。


歩行者・自転車分離実験


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posted by ツボ at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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