ジェット噴射をはじめ、予定軌道に入ったと伝えられた。
『はやぶさ』は、2003年5月9日に日本から打ち上げられた探査機です。
目的は、惑星誕生の謎を解き明かすために、遠く3億キロ離れた
小惑星『イトカワ』から欠片を持って帰ってくること。
太陽系の出来た時の状態を知ることが出来るかもしれない。
月などは、惑星として古くなっており、誕生の様子がわかりずらい。
地球もそうですが、マグマでどろどろに溶かされた物が、
冷えてしまうと、昔の状態がわからなくなってしまうそうです。
更に、大気やガスがあると風化してしまうので、それもダメみたいです。
そこで誕生したままの状態の小惑星『イトカワ』がターゲットと
なったようです。
『イトカワ』には、大気は無くそのままの表面を宇宙にさらしています。
ただ、出発した時にはまだこの小惑星には名前は無く、一年後に
『イトカワ』と名前が付いたようです。
発見をしたのはアメリカ人らしいのですが、今回の『はやぶさ』の
ミッションに対して敬意を払い、日本の宇宙開発に尽力した
「イトカワ博士」の名前にちなんで命名してくれたようです。
この話も、素晴らしい話ですね。
1年間地球の軌道に乗っていた『はやぶさ』は、1年後に地球の重力を
利用して再接近し、加速する形で『イトカワ』に向かった。
ここで『はやぶさ』について簡単に説明しておくと、
『はやぶさ』は自分で起動や姿勢を修正でき、自分で判断する力を持っている。
エンジンは、従来の科学推進エンジンではなく、ソーラーパネルを
利用した電気推進エンジン(イオンエンジン)というものです。
これは、従来の物に比べて使用する燃料が少なくて済む他、
長時間稼動させることができると言うものです。
さて、順調と思われたミッションですが、途中3基ある姿勢制御エンジンの
一つが故障し2基で制御することに切り替えた。
『イトカワ』に到達後も、更に2基目の装置が故障し、いろいろ工夫をして
何とか姿勢を保つことに成功した。
着陸は1回目は姿勢を崩し、バウンドして降り立ったものの失敗。
2回目に成功し、表面の採取も成功したのだが、離陸後に燃料が噴出して
姿勢を崩してしまった。
その後、起動から外れた為に『はやぶさ』との通信が途絶えた。。。。
この時点で、当初予定していた2006年帰還は延期された。
約3ヶ月ぶりに通信が復活し、状態がわかってきた。
『はやぶさ』は太陽電池発生電力が極端に低下して、一旦電源が
完全に落ちてしまったようだ。
燃料もかなり少なくなっており帰還への道を探って行かなければ
いけなくなった。
さまざまな試行錯誤の結果、奇跡的に復活し2007年4月に
地球へ帰還へ向けて運転が開始された。
しかし、このまますんなりと終わるはずが無い。
2009年11月に、イオンエンジンが異常停止した。
長い間使い続けた為にエンジンの寿命が来たようなのだ。
このような大変な状況でも運用チームはあきらめずに、
4つのエンジンの壊れていない部分を使って1つのエンジンとして
働かせるクロス運転と言うことを実現させた。
どんな状況に陥っても最後まであきらめなかったチームと、
ぼろぼろになりながらもミッションを遂行した『はやぶさ』が
今ひとつになって地球への帰還を目指している。
2010年6月3日からエンジン噴射をはじめ、5日に予定軌道に入ったと伝えられた。
採取された表面の欠片は、地球再突入カプセルに入れられ、
予定では日本時間6月13日23時頃に、オーストラリアの砂漠に
落ちることになっている。
オーストラリアから着陸の許可も下り、いよいよその時が待ち遠しい。
最後に付け加えると、カプセルは地球に戻ってくるが、
『はやぶさ』の本体は大気圏内で燃え尽きてしまうのだ。
この健気とも言える一連の物語が、『はやぶさ』に対して
感情が動かされるところです。
『はやぶさ』の物語を映画にしたものが、大阪市立科学館でも
上映されています。
上映期間は延長されて2010年11月28日(日)までとなりました。
その他でも各地で上映されています。
詳しいことは
『HAYABUSA -BACK TO THE EARTH-』公式HP
JAXA はやぶさ、地球へ!帰還カウントダウン 特別サイト
JAXA 小惑星探査機『はやぶさ』物語
NEC 『やはぶさ』7年間の旅(カウントダウン付)
【6月10日に加筆しました】
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