SDレビューは、実施を前提とした建築の展覧会です。
架空のコンペとは違って、実際に計画・設計を行っている物が
対象ですから、その案は現実的なものばかりです。
今年から大阪展は、大阪芸大ほたるまちキャンパスで行われる
ことになったようです。
これまでは、喜志の大阪芸大キャンパスだったので、ちょっと遠い
感じでしたが、中ノ島に移って行きやすくなりました。
堂島リバーフォーラムという堂島川に面した綺麗な場所です。
今年で29回目となるSDレビューですが、以前は僕がいたヘキサが
大阪展を主催していて、その後大阪芸大の方で主催してもらう事になり、
芸大が主催して今回で15回目となります。
僕が担当して10年、芸大が15年とはるかに長い期間面倒を
見てもらっています。
来年は30回目となる節目の年なので、SDレビューを主催している
鹿島出版会も力が入る事でしょう。
場所が大阪になった事で、みんな来やすくなったのか、
久しぶりに懐かしい人たちに出会えました。
今年選ばれた作品の傾向としては、昔に比べて物件が小型になっている。
昔はバブルと言う事もあり大型物件がチラホラとありました。
今年は住宅や小型の物が多く、リノベーションなどもありました。
時代を反映して新築だけではなく、既存の物を再利用すると言う物です。
審査員のコメントにあった様に、プレゼンテーションは
上手くなってきたが、突き抜けた驚きがなくなってきた。
昔は、ビックリするようなデザインや発想がありましたが、
今は現実的に、コストも抑えた物が多く、建築が冒険出来なくなって
きていると言う事を痛感しました。
無駄な物やデザインが必要と言う事ではなく、遊びやゆとりと言う物が
少なくなってきたのだと思います。
コスト、エコ、破綻の無さが、建築の自由度を萎縮させてしまって
いるのかも知れませんね。
人の心にゆとりが無くなっているのですね。
現実の厳しさはあるものの、プラスアルファーは必要でしょう。
それ以上にこじんまりとしてしまっている自分を、もう一度見直す
機会となりました。
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