2011年04月14日

出荷自粛の野菜が販売されたが

出荷自粛となっていた千葉県産のサンチュが販売されていたと言うニュースが出ました。
千葉県旭市のサンチュは、3月20日からJAが出荷自粛とし、県としても29日に自粛、
国は4月4日に出荷停止としていた。
集配業者は、3月28日に独自に放射線の量を検査して、暫定基準値を下回っているから
大丈夫と判断し、スーパー側の担当者もこれを了承した為に、3月30日から4月7日まで
店舗で売っていたらしい。

この話にはいくつかのポイントがある。
そもそも、「出荷自粛」とはどういうことなのか。
出荷する事を自粛するようにというだけで、強制力もないし、罰則もない。
一方、「出荷停止」の方は、強制力もあり、罰則もある。
となれば、出荷自粛と言う事は、それぞれの判断と言うことにはならないのだろうか。
自粛せよといったのだから、自粛するのが当然だということになると、強制ということに
なるはずで、それが常識だといってしまえばそれまでです。

出荷停止後に、販売した事は良くないことなので、そこの部分で3月30日以後もという
報道になっているところもあるが、自粛のときも非難する声もある。

実際に、線引きを行った日よりも早く収穫していたものも、売ることはできなくなっている。
ほうれん草のときにも、路地物とハウスの中で育てている物とは明らかに違うのに、
ひとくくりで支持されていた。
これもおかしな話だと思う。

出荷自粛の時に、検査をして安全であった場合には、本当はそれの方が正しいのでしょうが、
これもなかなか簡単な話ではないでしょう。

それから、この話のもう一つの問題点は、ここまで書いてきた事は逆に、市場の信頼性を
揺るがすことになると言うことです。

これまでは、政府も言ってきたように、消費者は市場に出回っている物は安全だと
考えてきましたが、こういった事例が出ると、他にもあるのではないかと考えて
しまうようになってしまいます。
それによって、益々その方面の野菜が出荷できなくなってしまう可能性があります。
野菜だけではなく、魚にも影響が出そうな話です。

政府としても、生産者の事を考えて出荷自粛と言う言葉を使っていたのでしょうが、
結果的にこういう混乱を招いてしまったことになります。
あいまいな表現は、こんなときには使うべきではなく、はっきりした事を
言った方が良かったのでしょう。
個人の責任で、自分が責任を取る事とは違うので、相手がいることに対しては
イエスかノーかしかないのでしょう。

この話で、一段と風評被害が広まって、農家の人が苦しまない事を願います。
暫定基準値自体が、非常に安全な数字であり、脅かす為の数字ではないと言う事を
もう一度よく理解しなければいけないと思います。
非難することはたやすいことです。
被災地以外の人は、災害で苦しんでいる人達を、これ以上苦しめないように
考えて欲しいと思うのです。
立ち上がろうとしている人に、手を差し伸べる気持ちを持ってください。

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posted by ツボ at 18:45| Comment(2) | TrackBack(0) | 独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。

難しいです。

でも、一番怖いのは風評被害ですね。

政府の曖昧な表現は、それを助長します。

リーダーシップを発揮して、断言する力を期待したいものです。

ポチ!してゆきます♪
Posted by iu-kikakuu at 2011年04月15日 15:08
iu-kikakuさん、いつもコメントありがとうございます。

風評被害の原因は、正確な情報が伝わっていないことですね。

政府は、もっとわかりやすく、はっきりとした話をしないといけないと思います。
Posted by ツボ at 2011年04月15日 16:39
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