これから30年の間にM8以上の地震が起きる可能性が87%と、極めて高い
数値であることから、菅首相が津波対策が出来るまでの期間、浜岡原発を
全面的に停止することを決めたようだ。
中部電力も、突然の事ですぐに返事は出来なかったものの、今日午後になって
首相からの要請は極めて重いと判断し、これを了承した。
これによって、今東京電力に送っている電力の融通は停止することになった。
昨年夏の使用電力から、原発による発電量を引くと、最大利用時に
電力不足になる可能性が出てきたからである。
今は止めている火力発電を復活させて、電力不足を補おうとしているのだが、
その発電コストのアップが、中部電力の経営も圧迫しそうだ。
赤字覚悟の了承となる。
中部電力の決断の前に、昨日テレビ番組に出演していた橋下大阪府知事は、
この菅首相の要請を政治家にしか出来ない大英断だとして高く評価した。
と同時に、大阪府としても関西電力から中部電力への電力の融通を
するように働きかけると語った。
東京電力へ融通している電力分を関西電力が融通することによって、
玉突き式に関西電力から中部電力、そして東京電力へと電力を送り、
東京電力の夏の電力不足を防ごうと言う考えだ。
更に、中部電力の原発を止めることによる電力不足を補うことも
視野に入れて考えているのではないだろうか。
今回の菅首相の要請は、突然のように思われるのだが、実際はずっと
以前から地震や津波に対して安全確保が必要だと言われていたものです。
これに聞く耳を持たずに、今日までやり過ごして来た自民党の怠慢だ
とも言えるのではないだろうか。
今ある砂丘に加えて、15メートル以上の防潮堤防を作ることと、
発電設備を屋上へ持って行き、更に予備電源を高台の上に作ることが
考えられている。
これらが完成するのは2013年頃になると見られ、それまでに津波が
来た場合を考えて、原発を安全な状態にして停止すると言うものです。
それが完成したらまた動かすのかと言う議論もあるでしょうが、
動かさないならばこれらの設備は作る必要が無いので、やっぱり
動かすことが前提なのでしょう。
しかし、考えてみると、そもそも浜岡原発の立地に問題があったのでは
ないでしょうか。
ある周期で起きている東海地震の真っ只中で、東南海地震、南海地震とも
連動している地震に対して最も危険な地域。
さらにプレートが複雑に入り組んでおり、活断層も沢山あるような
場所に浜岡原発は作られている。
この場所を決めた理由は一体なんだったのか。
今更ながら、この原発建設を推進した自民党は、どう考えていたの
だろうか。
今回、東日本大震災が起き、福島第一原発の事故が起きて、民主党の
対応に批判が集中しているのだが、その原発を作り、安全だと言い
続けて来たのは自民党なのだ。
自民党が今でも政権を握っていたら、浜岡原発を止めただろうか。
この部分に関しては、民主党だったから出来たのではないだろうか。
省エネが進み、エコ意識が芽生えている状態でも、電力需要は
右肩上がりで増え続けている。
どうしてか?
電気を使うものが増え続けているからだろう。
そして、環境問題に結びつけて、オール電化を進めているのも
その一因だと思う。
オール電化が、悪いとは言わないが、オール電化が全面的に
良いとも言えない。
トータルで、考えて行かなければいけない問題でしょう。
ただ、一人一人が出来る事は、少しでも電気を使わない生活や
工夫が必要だと言うことです。
習慣的になってしまっている生活様式を、少しだけ昔の生活に
戻すと言うことも必要なのではないでしょうか。
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確かに、支持率アップを狙ったと言う見方もあるかもしれませんが、
この決断をしたことの意味もあると思いますよ。
結果的に、国民の為になる事は、どういう形であれするべきだと思います。