動き出そうとしています。
さまざまな問題を含みながら、
とにかく建設ありきで強引に着工しようと
しているようにしか思えない。
問題は、今言われている工期や予算ではない。
それ以前に、何故今頃になってこんな事が
問題になっているのかだ。
国際コンペをやっていながら、こんな無様な
ことになってしまったのはどうしてなのか。
当然ながら、参加者は大手の事務所等実績の有る
ところばかり。
その中で、異彩を放っていたのが最優秀案の
ザハ・ハディドなのです。
彼女は、昔から奇抜なデザインで知られており、
そのデザインは僕も好きなのだが、現実的でない為に
実作と言うものが少ない。
それでも、少しずつ実現していっていたこの頃だった。
そもそも、コンペでは、デザインもさることながら、
その実現性も求められている。
通常、工期と予算はまず守ることが大前提で、
その上でデザイン等のアイデアを競わなければいけない。
予算や工期を無視すれば、凄い案を提案することは可能となる。
ただ、コンペと言う限られた期間の中で、正確な金額を
はじき出すことも難しい。
そこは経験値や一般的な概算で対応することになる。
今回のコンペでも、屋根等の構造についての考え方や
事業費や工期についても考え方を求められていた。
審査側にも、そのあたりをチェックする人が入っている。
そんな体制で臨んだコンペで、何故今頃になって
こんな問題が浮上してきているのか疑問に思う。
確かに、ザハ氏以外の案は、ある程度現実的で、
デザイン的には圧倒するようなものが少ないように見える。
世界から注目されるような建物を作りたいと言う気持ちは
わからないではないが、実現できるものかどうかは
重要なポイントだと思う。
後になって、予算が大幅にオーバーします、
工期も間に合いませんというのは素人か?と
言わざるを得ない。
当初の見通しが甘かった。
そんな言い訳が通るようなプロジェクトではない。
国家事業で行うものが、そんな良い加減な事で良いのか。
これまであちこちのオリンピックの度に、
施設や外構等が間に合わないと報道して来た日本。
日本ではそんなことはあり得ないと言った感じだった。
ところが、いざ東京オリンピックになるとどうだ。
こんな事になろうとは誰も思っていなかっただろう。
その焦りからか、面子の問題なのか、予算も確保できて
いない物を、見切り発車でスタートさせることにした。
そもそも、この膨大な予算はおかしいと思わないのか。
過去の各地のオリンピックのメイン会場の予算は
はるかに下で、それでも良い物を作ってきている。
何かおかしい。
話を次々に摩り替えて、兎に角建設ありきで
やっているようにしか思えない。
もともとの東京オリンピックの目指した物は、
既存の施設などを使った「コンパクトなオリンピック」
だったのではないのか。


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