2017年10月29日

『ブレードランナー2049』

『ブレードランナー2049』を公開初日に見て来ました。
『ブレードランナー』と言えば、僕の好きな映画の3本に入る作品。
30年前に作られたこの作品の30年後の物語。
まさかそんなものが作られるとは思ってもいなかったし、
その期待感は半端じゃないです。
ずっと待ち続けていた映画なので、すぐに見たいと思って、
初日に行って来ました。

前回、レプリカントとの戦いを終えて、レプリカントである
レイチェルに恋をし、二人で逃亡したブレードランナーのデッカード。

その後、製造していたタイレル社もタイレル氏の死後、
4年の寿命のネクサス6型と違い、寿命をに制約のない
ネクサス8型の流通を急いでいた。

西海岸で大停電が起こり、電磁データはすべて消えてしまった。
これはレプリカントによるものとして、製造を禁止することになる。
本来、人間の助けをするために作られたレプリカントだったが、
知恵を持つことから、自分で行動し始めたことがこういう流れとなったのだろう。

倒産してしまったタイレル社の負債を買い取ったウォレス社は、
更に進化させたレプリカントを作り、発表する。
禁止法は廃止されてしまう。

人間に従順なレプリカント、ネクサス9型だ。
ネクサス9型は、ネクサス8型を排除しようとする。

と、ここまでは公式サイトの中で公開されている。

今回の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴは、公開するにあたって、
3人に短編映画の製作を依頼している。
第一話は日本の監督でアニメで作っている。
これは大停電が起きた時のはストーリを作っている。
第二話では、ウォレスしがネクサス9型を発表し、
禁止法が廃止されるところだ。
第三話では、ネクサス8型が見つかった場面。

この3篇の物語を見なくても映画は楽しめるが、
見ておいた方が、映画の中に登場する人物や
流れがわかるので、見た方が良いように思います。

本編の方は、ネタバレになるのであまり書きませんが、
一つの新たなSF映画としてみると見ごたえのある映画です。
2時間43分と言う大変長いものですが、スクリーンに
入り込んでその長さを感じません。

「え〜〜、そうなの!」とか、「それで。。。。」と
言うだけにしておきましょうか(笑)

前回の続きの映画とか、第二章と思わない方が良いかもしれません。
なにせ、『ブレードランナー』は、永遠にSF映画の金字塔ですから。

今回も製作総指揮としてリドリー・スコット監督が
入っているからでしょうか、相変わらず日本が好きなようで
看板には漢字やカタカナが沢山出て来ます。
天気も雨だったり曇っていたりと、青空を見ることのない世界です。

ブレードランナー2049.jpg

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2017年07月12日

『ローガン』

記事をアップするのが遅くなったので、
もう映画館では上映していません。
すみません。

ウルバリンシリーズの最後(?)となる『ローガン』
ヒュージャックマンも老いぼれた役をしていて、
もう過去の人のようなイメージで始まります。

ミュータントは、既に大半が死滅してしまい、
ローガンも以前のような能力は衰え、不死身では
無くなっていた。
雇われのリムジンの運転手として、何とか生活を
おくっているような有様。
そこへ、ヒスパニック系の女性から少女をカナダとの国境
に接するノースダコタまで送り届けて欲しいという依頼を受ける。
一旦は断ったローガンだが、トラブルに巻き込まれて
少女ローラを保護することになってしまった。

実は、ローラはローガンと同じミュータントで、
子供たちを使って実験を行っている研究所から
逃げ出し、みんなと離れ離れになってノースダコタを
目指しているのだった。

子供たちを連れ戻すために武装集団を率いて追いかけて
いるのが、冷酷非情な男ピアーズだ。

自分の力をコントロールできなくなったエグゼビアと共に、
3人の逃走が始まる。
ローラの持つ力に期待するエグゼビアは、ミュータントの
生き残るカギをローラに託す。

ピアーズたちとの壮絶な戦いが始まった。
ローガンは、再生能力が衰えていて、傷がすぐには
治らなくなっている。
そんな体で、必死にローラを守ろうとする。

研究所からは、新型のミュータントが送り込まれ、
ローガンたちは窮地に追い込まれる。

ローガンは、無事にローラを送り届けることが出来るだろうか。

アクションシーンは、かなり激しい。
ローラ役のダフネ・キーンも相当鍛えているようだ。
VFXで加工しているものもあるだろうが、その動きは
見ごたえ十分だ。

衰えている演技のヒュージャックマンも素晴らしい。

映画全編を通じて、二人の関係や流れが『レオン』を
下敷きにしているように感じる。
監督のイメージの中に、レオンとマチルダがあったのではないだろうか。

ローガンとしては、これで終わるのだろうが、
ひょっとしたらローラとしてのシリーズが始まるのかも
知れないと思わせる。

寂しさも感じるが、見ごたえたっぷりの映画でした。

ローガン.jpg

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ラベル:ローガン
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2017年06月09日

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

先日『マンチェスター・バイ・ザ・シー』を見て来ました。
多分、あまりみんなは知らない映画かと思います。
マニアックな映画をよくやっているテアトル梅田で上映しています。

ネタバレにならない程度にあらすじを説明します。

マンチェスターで、漁業をしていたお兄と
アメリカ・ボストンで便利屋として働いていた主人公リー。
場面は、兄の船に乗り、兄の息子パトリックと戯れている様子から始まる。

この映画は、時々昔の場面を入れながら状況を説明して行くのだ。

そこに突然、兄が病院へ運ばれたとの電話がかかり、
急いで故郷マンチェスターに帰るのだが、
時既に遅く兄は亡くなってしまった。

ホッケーの練習をしているパトリックを迎えに行く。
パトリックも急な話で、まだどうしたらいいかわからない。

弁護士の基へ行ったリーに対して、弁護士からパトリックの
後見人になるように遺言が書かれていると伝えられた。

ボストンとマンチェスターという離れた場所でパトリックの
世話は出来るわけがない。

パトリックは、マンチェスターに友達も居るし、
ホッケーの活動もある。
ボストンに引越すように言うリーに対して、
おじさんは、便利屋なんだからどこでも出来るだろうと
マンチェスターを離れたくない意向を伝える。

それとパトリックには、ガールフレンドが二人いて、
その存在も映画の流れに絡んでくる。

お互いの気持ちを察しながらも相容れない二人。

リーは、ある事情で離婚し、マンチェスターを離れ
ボストンに移ったのだった。
その事が、リーガマンチェスターに住むことを拒ませていたのだ。

リーとパトリックの心の動きを、静かに見守っている物語。
二人は、どう進んで行くのか。
リーの心の傷とは。。。。

結構大変な内容を、静かに冷静に描いている。
腰を据えて、ゆっくりと見て欲しい映画です。

実はこの映画は、当初マット・デイモンが主演・監督を
する予定だったのだが、スケジュールの都合がつかず、
主演をケイシー・アフレック、監督をケネス・ロナーガンに
託すことになったのです。

この主演が、マット・デイモンだったらどうなっていただろう?

でも、結果的には、今回のケイシー・アフレックが演じたことで、
色が付かずにスクリーンに入り込めたのではないだろうか。
今年のアカデミー賞で、見事ケイシー・アフレックは主演男優賞を
受賞し、ケネス・ロナーガンも脚本賞を受賞した。
マット・デイモンも、この二人に称賛の声を上げている。

派手なアクションも、華やかな展開もないが、
心に響いてくる映画であることは間違いない。

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2014年12月09日

映画『Over The L'Arc-en-Ciel』

2012年に行われた L'Arc-en-Cielの
ワールドツアーの様子を収めた映画です。
ラルク・アン・シエルは、今の日本では一番の
バンドだと思っています。
詩とメロディーの絶妙な融合がなんとも言えない。
独特の世界観を持ったバンドです。

そのラルク・アン・シエルがワールドツアーを
行ったのは当然だろうと思います。

映画は、ライブビデオではなく、
製作現場や舞台裏の様子を多く収めていて、
彼らのツアーに対する気持ちを表している。

ラルクのライブにも行ってみたいのだが、
若いお客さんのノリには体力的に
ついて行けない気がして躊躇してしまいます。
僕もある程度は乗れるんですが、じっくり聞きたい感も
あって、最初から最後まであの勢いでは無理ですね。
ついて行けないとノリの悪い奴という事で、
周りの人達に迷惑かけてしまうと思うので(苦笑)

そんな僕にとっては、こういう機会に垣間見れるのは
ある意味でありがたかったです。

ツアーの順番に、その時々の製作過程からライブを
見せて、音をバックにオフショットを交える展開で
淡々と進んで行きます。
なので、ライブ映像を見たい人にとっては
少し物足りないかもしれませんね。

順風満帆で、自信を持って望んだのかと思いきや、
特にアメリカのマディソン・スクエア・ガーデンの
日本人初となる単独ライブに向けては、かなり
緊張し、ナーバスになっていた。
プロモーションも十分ではなく、入りも心配していたようです。
ライブは、成功したと言えるでしょうが、
やはり本人達は満足できていなくて、本来の姿を
見せることが出来なかったと語っていて、必ず次は
やりきりたいと意欲を見せていました。

当然ながら細かい所まで神経を使ってステージを
作って行く訳ですが、スタッフがそこまでついて行けて
いないこともあり、気持ちをぶつける場面もしばしば
見受けられました。
本人達の頭の中には、しっかりとしたイメージが
出来ているので、本当に些細なことまで把握できています。
スタッフは、その道のプロですが、やはりイメージが
完璧ではなかったりします。
これは、どこの世界でもあることですが、
それを無くす事がプロなのです。
物造りをする人にとっては共感できるシーンです。

ラルク・アン・シエルは、リーダーと言う名前の人は
いるのですが、一人が引っ張っていくバンドではなく、
みんながそれぞれに役を担い、交代しながらお互いを
気遣い、支えあっている様子も見られます。

映画を撮った監督は、アメリカ人でラルクのことは
知らなかった人です。
知っているとラルクの像があって、先入観が入ったものに
なってしまうので、あえてラルクに対して白紙の
この監督に決めたようです。
ですからラルクを客観的にとることができています。
一方、撮られる側のラルクも隠すことなく全てを
撮って欲しいと言っています。撮るだけとって
後で編集すれば良いのだからと、自分達を
さらけ出しています。

100分と言う時間を感じさせない内容でした。
実に淡々と見せられて、気がついたら終わって
いたと言う感じでした。

内容は少し違いますが、僕の好きな
エルヴィス・プレスリーのツアーを追った映画
『エルヴィス・オン・ツアー』を思い出しました。

(注)
『Over The L'Arc-en-Ciel』は、
2014年12月5日(金)〜12月12日(金)の
8日間限定の上映です。

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2012年09月26日

『最強のふたり』

この映画は、その前に観た映画の時に予告でやっていて、
是非観てみたいと思った映画でした。
その後じわじわと、話題になって、今はTVのCMとしても
流れています。

内容は非常に単純で、障害を持つ車椅子に乗った富豪と
介護の経験など全く無かった黒人青年の関係を綴った
コメディータッチのヒューマンストーリーです。

驚く事に、この物語は事実に基づいて作られた物だと
言う事です。
この二人の事をテレビで見た監督が、映画化をしたいと
本人に申し出た時に、これをシリアスな感動的なものに
しないで、笑って観れるコメディーにしてくれと言われたそうです。
その結果が、この映画となり、成功したと思います。

映画を観た感想は、良い意味でほんわかとした雰囲気で、
二人の普通の生活を自然な形で見ているといった感じでした。
最初は、クスクスと言った感じでしたが、途中からは
みんな遠慮しないでゲラゲラと笑って観ていました。
それこそが、監督や「ふたり」が望んでいた事でしょう。

事故で首から下が麻痺してしまい、車椅子に乗って生活を
している富豪のフィリップ(フランソワ・クリュゼ)は、
介護者を雇う為に人を探していた、面接にやってきた応募者は、
自分の介護経験をアピールして雇ってもらおうとしている。
その中に、生活保護の申請の為に就職活動をしたと言うサインを
貰うためだけにやって来ている黒人青年のドリス(オマール・シー)がいた。
彼は、介護の経験など有るはずも無く、不採用にしてくれと頼み、
その書類のサインを次の日に貰える約束を貰って帰った。
久しぶりに帰った実家には、沢山の兄弟がいて、一生懸命働いて
家族の面倒を見ている母がいる。
その母親からも、出て行けと言われ、家を出て仲間達と過ごしていた。
一人、また一人と帰って行き、一人残ったドリスは、夜が明けるのを待った。

不採用の書類を貰いにフィリップの家を訪ねたドリスは、
家の中へと案内されて、自分の部屋を与えられる。
まだ理解できていないドリスをフィリップの元へと連れて行き、
いきなりフィリップの世話をする事になる。
当然不採用だと思っていたドリスを採用したのだ。

そこには、障害者を障害者として腫れ物に触るように扱い、
一人の人として見ていない介護者に対する不満と不信感があったのだろう。
試用期間だと言うことで、ドリスを雇ったフィリップは、
自分を障害者ではなく一人の人として普通に扱うドリスを
気に入っていった。
普通は言わない事や、聞かない事も、当たり前のように
自然に振舞うドリス。
誤って熱湯の入ったやかんをフィリップの脚に当ててしまった時に、
反応が無いのに驚き、それでは直に熱湯をかけてみたらどうなのかと、
フィリップの脚に熱湯をかけるドリス。
普通では考えられない事を、子供のような好奇心でやってしまう。

車椅子を乗せる仕様になっている車に乗せる時に、これでは
人を乗せる物ではない、フィリップが可哀相だと思い、
隣にあったスポーツカーに乗せてドライブをする。
スピードも出して、無茶苦茶な運転をする。
クラシックばかり聞いているフィリップにダンスミュージックを
聴かせる。ここでは、アース・ウインド・アンド・ファイアが
使われている。
アースの音楽は、この映画の中心の音楽になっている。

下の方はどうなのだと普通に問いかけるドリス。
使えないけど、他の所で感じるのだと答えるフィリップ。
この辺りから、二人の信頼関係が深くなってきたのがわかる。
ドリスの隣で、気持ち良さそうに耳たぶをマッサージして
もらっているフィリップの表情が面白い。
これまでの介護者ではありえなかった生活が展開していった。

フィリップが文通をしているが、その相手とは堅苦しい詩の
やり取りしかしていないことを知り、写真の交換をしたり、
電話をかけさせてみたり、ついには対面までさせてしまう。
気の利いたお節介もやいてしまう。

そんな二人のやり取りが、観ている者の心を暖かくする。
映画の中でも、周囲にいた人達の気持ちをほぐして行き、
型にはまったつまらない誕生日パーティーも、ドリスの
おかげでこれまで無かったような楽しい物となる。

しかし、突然訪ねて来た弟によって、二人の関係は
終止符を打つ事となる。
フィリップの家を去るドリス。
新しい介護者を雇ったフィリップだが、その普通の
介護では物足らなくなる。
何かしっくり来ないのだ。
自分が障害者である事を、感じざるを得ない。
障害者ではなく、一人の人間だと感じれたドリスとの生活。

フィリップは、ドリスを呼び出した。
再会を果たした二人は、夜の道を疾走する。
そう、またしても滅茶苦茶な運転。
当然、パトカーに追いかけられて捕まってしまう。
その時に、二人が取った行動。
これが冒頭のシーンに戻って繋がっていたのだ。
最後まで笑わせてくれる二人の関係。

エンディングは、さらっと実際の二人の今の事と姿が
流されて終わる。
笑い泣きのような、なんとも言えない空気が漂っていた。

最強のふたり



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2010年01月21日

『誰がため』

第二次世界大戦後期のデンマーク、ナチス・ドイツの占領下で
地下組織に所属する二人の暗殺者の物語です。
ずっとタブーとされてきた実話に基づく物語のようです。

コードネームは、フラメンとシトロン。
ナチスの占領下で苦しむ中で、レジスタンスに加わった二人は、
イギリスから来る指令に従って、ナチスやゲシュタポに協力する
売国奴を暗殺して行く。
彼らはそれを正義と思っていた。

ゲシュタポのトップを狙おうとするが止められる。
逆に彼らの行動を邪魔に思うゲシュタポから莫大な懸賞金を掛けられ
狙われるようになる。

次第に仲間が捕らわれ処刑されて行く。
組織に内通者がいると考え始め、疑念を持ち始める。

今まで敵と思っていた者から聞かされる言葉。
今まで仲間と思っていた者への疑惑。

戦争の時は、何が真実で、何が嘘なのか。
誰が味方で、誰が敵なのかわからなくなる。

迷いが生じながらも、指令を実行しようとするのだが。。。

彼らは一体何の為に
一体誰の為に戦っていたのだろうか。
結末は、やはり。。。。

戦争が人の心を変え、もてあそぶ。
自分を守るためには嘘もつき、悪にもなる。
英雄とは一体なんなのだろうか。
心理的な戦争の恐ろしさを考えさせられる作品です。

戦争に正義は無い。


誰がため


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2010年01月14日

『地下鉄のザジ』

『地下鉄のザジ』と言う映画。
名前は知っていたけど具体的な内容は知らなかった。
昔から、ウチの彼女が見たがっていたけど、テレビでも殆ど
放送される事が無かったので、見る機会がありませんでした。

この映画が公開されたのが1960年。
なんと50年前の映画なんですよ。
そこで、去年50周年を記念して、完全修復ニュープリント版として
9月から各地で公開されたのです。
大阪では、マイケル・ジャクソンの『This is it』と重なっていて、
最終日に何とか行って来ました。

あらすじは、初めてパリにやってきたザジが巻き起こす冒険の物語。
このストーリーが、本当にメチャクチャ。
ザジを連れてきたお母さんは、実は恋人に会うのが目的で、
駅に着くなりザジを残して恋人と行ってしまう。
そこに迎えに来たガブリエル叔父さんと家へと向う。

ザジが一番楽しみにしていたのは地下鉄に乗ること。
でも、丁度地下鉄はストライキをやっていて閉鎖中。

ガブリエル叔父さんは、ナイトクラブの芸人で、どうもオカマちゃんのようだ。
その奥さんが、当時の美人を絵に書いたような綺麗な人と言うのも
設定が面白い。
感情をあまり表に表さないので、まるで『ブレードランナー』に
出てくるレプリカントのようにも見える。

次の朝、ザジは一人で街の冒険に出る。
そこで出会った一人の紳士がザジを連れてレストランで
食事をさせたり、蚤の市で買物をしたりする。
これは誘拐事件ではないかと思うのだが、そこは映画の世界(笑)
逃げ回るザジを追いかけて、ドタバタ喜劇が始まる。
この辺りのシーンを見ていると、チャップリンの映画を思い出す。
時代のコメディーなのかも知れない。
その後の日本の「ゲバゲバ90分」やドリフの「8時だよ、全員集合」にも
影響を及ぼしたと思われる。
小さい頃に見ていたコメディーは、ここから来ていたんだなと思った。

叔父さんの所に帰ったザジは、今度はエッフェル塔に連れて行ってもらい、
ここでも逃げるようにして歩いて下りて行く。

叔父さんのショーやら結婚パーティーなどで、メチャクチャな
騒ぎが起こり、会場はグチャグチャに壊れて行くが、これなどは
まさにドリフのエンディングと同じ。

疲れたたザジは、何も知らずに眠り込んでいる。
最後は警察か軍まで出動して大混乱となる。
ザジを抱えて地下に逃れた叔父さんは、ストが終って動き出した
地下鉄に乗って家に帰る。
やっと憧れの地下鉄に乗れたのにザジは眠ったままだ。

次の朝に気が付いたザジは、お母さんとの約束の時間に駅に戻り、
結局そのまま帰って行く。

ストーリーだけを考えると、メチャクチャな展開だが、
コメディーの原点を見た感じと、ザジの屈託の無い笑顔が
印象的な映画です。
何も考えずに楽しんだ方が良いでしょう。


地下鉄のザジ


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2009年11月29日

マイケル・ジャクソン『This is it』

話題になっていた映画、マイケル・ジャクソンの「This is it」
当初2週間だった期間が延長されましたが、先週の金曜日で
終ってしまいました。
何となく行く機会が無くて行けなかった。
他の映画で同じように終ってしまうのがあったので、そちらに行く
つもりでしたが、友達から突然の誘いがあって、急遽予定を変更して
見に行きました。
そちらの映画は最終日にして、その前の日に行くように変更
しただけですが。

前日、映画館の空席を探すとまだ余裕が有りそうだったのですが、
当日の朝に見ると殆ど無くなっていました。
確実に行けるかの連絡待ちで時間が過ぎる。
何とかOKになったので急いで予約をとって、用事を済ますことに。

大きなスクリーンで見ていると、流石に迫力がありライブ会場みたい。

以前に日本に来た時に、殆ど歌わなかったから、もう歌えないんじゃ
ないかとか、体調も良くないとか噂が立っていましたが、
このリハーサルを見ると、まったくそんな事は無かったです。
昔に比べて、映像を使ったりして楽しめそうな感じでした。

ダンスも切れが良くて、とても50歳とは思えない。
僕と殆どおない年なんですよね。
ビックリです、って比べる方がおかしいけど。
声もウォーミングアップだとか言いながらも、しっかり出ていたし、
ライブはまったく問題ないって感じでした。

マイケルの後半は、アフリカ救済やら地球環境の事に関心を持って
いたから、曲もそっちの方へ行っていた。
人から更に進んで地球へ。

何となく聞いていたけど、改めて見てみるとマイケルの考えていた事が
少し見えてきた気がします。

完璧主義だったというだけあって、ライブの演出や曲のちょっとした
音にも指示を出していました。
でも、スタッフがマイケルに気を使っている様子が見えて、
それがマイケルが孤独になった行った要因かも知れないと思った。
周りの人がいつも自分に気を使っていて、本当の意味で
自分と接していないという風に思っていたのかも。

このリハーサルを見ていると、1度でも完成したステージを見て
みたかったなと思います。
あれが本番になったらどうなるのか。
今まで見たことの無い物を作ろうとしていたマイケル。
多分最後となっていたであろうマイケルの集大成としての
ステージを見てみたかった。

ラジオから流れてくる曲は、どれも聞いた事があり、こんなに沢山の曲を
知っていたのかと驚いてしまう。
多くの人に影響を与え、今でもその輝きは変わらない。
本当に惜しいアーティストを失ったものだと思う。

改めて、マイケル・ジャクソンさんのご冥福をお祈りします。

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2009年09月13日

『The Dark Knight(ダークナイト)』

去年観た映画の中で、印象に残った映画の一つがこの「ダークナイト」です。

始めは予告を見ていただけなので、面白そうだなと言う事で
観に行ったのです。
そこで初めてこれが「バットマン」の映画だと気がつきました。
それほどこの映画からは、バットマンと言う物を消していたのですね。

ストーリーは、ヒーロー物では当然ながら、悪人をヒーローが
やっつけるといった単純なものですが、今回はヒーローではなく
悪人の方をクローズアップした作品でした。

バットマン役のクリスチャン・ベールが、まったくかすんでしまうほど、
ジョーカー役のヒース・レジャーの演技が光っていました。
気が付けば他にも、僕の好きな俳優であるゲーリー・オールドマンや
モーガン・フリーマンも出ていたので更にビックリでした。

「ダークナイト」と言うタイトルも、カタカナで見ていたので
「暗闇」か「暗黒の夜」と言ったイメージで捉えていましたが、
映画を観て行くうちに、それが「闇の騎士」だとわかりました。
後からタイトル表示を見直すと、確かにアルファベットでは
「Knight(騎士)」になっていました。
頭に「K」が付いていたんですね。

マフィアの資金源を断つことに成功したバットマンを葬る為に
登場したのがジョーカーだ。
しかし、このジョーカーの狙いは、ただ単にバットマンを
倒すことではなく、正義を叩き潰し、高潔な人々を堕落させ、
世界が破滅して行く姿を見ることだった。
バットマンを叩きのめすのをゲームのように楽しんでいた。

この映画では、バットマンはヒーローではなく一人の人間として
描かれており、生身の人間だと言うのをマザマザと見せられた。
ジョーカーの罠にはまってボロボロになってゆくバットマン。
これほど弱く見えるバットマンはいないだろう。

バットマンを支持し共に戦う地方検事のハービー・デント
(アーロン・エッカート)が「光の騎士」、バットマンが「闇の騎士」
と呼ばれていた。

しかし、「光の騎士」だと思っていたハービー・デントが。。。。

バットマンの苦悩とジョーカーの悲しいほどの極悪さ。
観ている内に、どこかでジョーカーに気持ちが移ってしまうのは
何故だろうか?
ジョーカーの中に潜んでいる孤独や悲しみが、観ている者を
強く引っ張って行く。
正義とはなんなのか?
悪とは一体。。。。

「ヒーローとして死ぬか、生きて悪党に成り果てるか」

これが大きな分れ道となるのだ。

この映画は、単に「バットマン」の映画ではなく、バットマンが
登場する物語なのだ。

ジョーカー役のヒース・レジャーは、この役のオファーをされた時には、
既に自分の命が永くない事を知っていた。
その上でこの役を、見事に演じ切った。
こういう話がついてくると、その先入観で観てしまうものだが、
そんな話は関係なく本当に見事な演技だった。
彼は、映画の完成を見ることなく、この世を去ってしまったが、
その演技はこうして完成され、残っているのだ。

以前のジャック・ニコルソンのジョーカーとはまったく違う、
人はここまで悪になれるのかと思うくらいの冷酷さを持ちながら、
どこか人間味を感じさせてくれる。
だから、またそこが怖いのだ。
その鬼気迫る演技は、とても演技だと思えないくらいだ。

ゲーリー・オールドマンが「レオン」で演じたスタンフィールドの
悪党ぶりも好きだが、このヒース・レジャーのジョーカーは、
それとはまったく違った悪党であり、体温などまったく感じさせない。

バットマンやヒーロー物だと考えずに、一つの素晴らしい映画だと
思って観て欲しい。


Dark Knight



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2009年01月27日

「チェ 28歳の革命」

チェ・ゲバラ
昔から名前は知っているが、実際のところ詳しい事は知っていなかった。

「ゲバラ」

革命家として有名だが、日本語として誤解を招きか造ない名前だ。
事実、恥ずかしながら僕もどちらかとダークなイメージを持っていた。

「○○ゲバ」

ここで言う「ゲバ」とは、ドイツ語の「暴力」と言う単語「ゲバルト」を
略して言っているので「ゲバラ」とはまったく関係ない。

「キューバ革命」
「革命」と言うものについてくる「闘争」「反乱」と重なって
いたのだろう。

話がえらく遠回りをしてしまったが、そのチェ・ゲバラの映画が
2部作となって公開されている。
第1作目が「チェ 28歳の革命」で、カストロと共に戦った
「キューバ革命」を成功させるまでを描いた物です。

映画は、革命後にキューバの大使として国連に招かれた時の
演説の模様と、戦いの場面が交互に繰り返される。
これによって、戦いだけの映画ではなく、彼のメッセージが伝わってくる。

アメリカの支援を受けているバティスタ政権によって、
キューバの一般国民は貧困な生活に苦しんでいた。
ラテン・アメリカの貧しい人達を救いたいと旅を続けていた
アルゼンチン人の医者エルネスト・ゲバラ。
メキシコを旅している時に、弟ラウル・カストロの紹介で
フィデル・カストロと出族い、カストロの怒りの訴えに共感する。

「チェ」と言うのは本名ではない。
アルゼンチン人の彼が、キューバの国民として戦う中で
みんなに認められていった過程でつけられたニックネームの
ような物です。
「チェ」とはアルゼンチン語で「ねえ」とか言う様な意味らしいです。
ゲバラは、会話の中でよくこの言葉を言っていたところから、
仲間が彼の事を愛称で「チェ」と呼ぶようになり、そこから
「チェ・ゲバラ」と呼ばれるようになったようです。

82人でキューバに渡り、バティスタ政権を倒す為の戦いが始まった。
喘息に悩まされながらも、山中での激しいゲリラ戦を戦った。
反乱軍として政府軍と戦う姿は、やがて民衆の心にも火をつけ、
一緒に戦う仲間が増えてくる。
この時、ゲバラは読み書きの出来ない者は参加させなかった。
それは、読み書きが出来ない者は、簡単に人に騙されるからだという。
ゲバラは、戦いながらも毎日日記を付け、本を読んでいた。
読み書きが満足に出来ない兵士には、戦場であっても勉強を
するようにさせた。

彼は、革命にとって必要な物は「愛」だと言う。
人を愛し、国を愛し、正義を愛する。

兵士達にも言う。
自分は、農民達を尊敬している。
だから彼らを傷つけるな。汚い言葉を使うな。
物を奪うな。

アメリカがやっているように、人を搾取するような事をしてはいけない。

革命は命がけでするもの。
何回も口にする言葉「祖国か、死か!」

これが彼の革命を象徴する言葉だろう。

後半の「チェ 39歳 別れの手紙」では、まったく違う状況に
陥ってしまったゲバラの姿が描かれています。
ゲバラが姿を消してしまった後に、カストロから発表された別れの手紙と、
ゲバラ自身の子供たちに宛てられた2通の手紙。
その中で語られた彼の想いとは。。。。


チェ 28尊の革命

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2009年01月12日

「World of Lies」(ワールド オブ ライズ)」

昨年末に公開され、見たいと思いながら見れていなかった
「ワールド オブ ライズ」を見に行って来ました。

原題は「Body of Lies」で「World of Lies(ワールド オブ ライズ)」は
邦題となるのです。

監督は、僕の好きな「ブレードランナー」のリドリー・スコット監督。
主演は、レオナルド・ディカプリオとラッセル・クロウ。
連続して起こった爆破事件。
テロ組織を壊滅する為に、犯人を追うCIA工作員フェリス(ディカプリオ)が
命がけで挑む。
それを指揮するのは、現場を知らないベテラン局員のエド・ホフマン(クロウ)。
現場の事など無視して、自分のやりたいように勝手に指示を出す
クロウに対して、ディカプリオは苛立ちを感じる。
フェリスがギリギリのところで戦っている時に、ホフマンは
まったくの日常生活の中で、携帯電話で指示を送っている。

テロリストの所在地を突き止める為に、ヨルダン情報局の
ハニ・サラーム(マーク・ストロング)と組むフェリス。
ハニから協力にあたって出された条件は“決して嘘をつくな!”だった。

世界の終わりを止める為に、フェリスとホフマンは嘘を重ねる。
ハニの協力がなければテロリストを捕まえれないが嘘も必要だ。
二人の嘘は世界を救えるのか?
どちらの嘘が救うのか?

思っていた以上に、現実に起こっている出来事と重なり、
アメリカ側から見たテロリストの世界だが、胸が苦しくなる場面も
多々ある。
いずれにしてもこんな争いの世界は無くさなければいけない。
そんなことを痛切に感じさせる映画だ。
内容的には、よく有り得る設定で特に目新しい物は無いのだが、
その監視体制や情報戦には、これって本当にやってるのだろうなと
恐ろしくなるものだった。

キャスティングも、「タイタニック」のイメージからガラッと変えて、
ハードなアクションも加え、次の世代の役を演じていたディカプリオ。
本当に憎たらしいほどのふてぶてしい役を演じていたラッセル・クロウ。
はまり役と言えるぐらいに上手い。
ずっと誰だったっけと気になっていたハニ役のマーク・ストロング。
後から話をすると妻も気になっていたようだ。
結局、後から調べてみたものの、前に何で見たのかわからなかったが、
キリッとした紳士でカッコ良かったです。

紛争などない日本にいると、実感する事は出来ないが、
その外では現実にこんな事が日常的に起きているのだと気付かせる。
そして、もはやそれは他人事ではないんだと。
単に娯楽としては見れない映画だ。
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2007年12月13日

「ブレードランナー」25周年

僕の好きな映画の3本のうちに入る「ブレードランナー」が
25周年になるようです。早いですね。
25周年を記念して、これまで公開されてきた映像を収録した
5枚のDVDが発売される。
1.25周年を記念してリドリー・スコットが再編集した「ブレードランナー・ファイナルカット」(2007)
2.劇場公開前の「ブレードランナー」ワークカット(1982)
3.US劇場公開版「ブレードランナー」(1982)
4.「ブレードランナー完全版」(1982)
5.音声・画質初リマスター『ディレクターズカット/ ブレードランナー 最終版』(1992)
この5枚がセットになったものです。
さらに、これにオリジナルフィギュアやリドリー・スコットからの手紙、
シド・ミードの絵コンテなどもついてケースに入った限定1万セットの
プレミアム版も発売されるようです。
これは「ブレードランナー」ファンにとってはヨダレもののグッズですね。
SF物はいろいろあっても「2001年宇宙の旅」と「ブレードランナー」は
なかなか超えられないですよね。
posted by ツボ at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月11日

フィリップ・ジャンティ・カンパニー「世界の涯て Lands End」

先日フィリップ・ジャンティ・カンパニーの新作
「世界の涯て Lands End」を観て来ました。
久しぶりの来日だったのと、去年からフランスなどで公開されて
評判が良かったので楽しみにしていました。

内容は、観る人それぞれによって感じ方も違うので言えませんが、
フィリップ・ジャンティらしいものでした。
以前と比べて変わってきたと感じたのは、昔と人形の使い方が
少し違ってきたようです。
初めの頃は人形を人間と同じように、いや、それ以上に人間らしく
扱っていたように思えますが、最近では大きな人形を使ったり、
イメージの中のものが人形で表現されていたりしているようです。
驚かせると言う意味でのマジック的な要素も減り、演出上必要だから
マジックを使っているといった感じがします。
今回は、黒い縦長の壁が移動することによって、展開を変えたり、
人と人とを区切ったりしていました。上下にも使っていたので、
映画のカット割りの様な感覚で舞台を見せていたのではないでしょうか。
それから、今回の公演で目立ったのがバックに使う色が鮮やかで
綺麗だった事。今まではどちらかと言えばバックは黒くして
消していたように思います。
今回は逆にバックの色を強調して、人をシルエットとして
見せていました。それによって表情そのものではなく動きで
表現している部分が印象的でした。
中には、止まっていると思っていた人が、実は紙で作られたもの
だったりしてだまされました。(笑)

物語は、手紙から始まる。一人の男と一人の女の物語り。
二人は、時には巨大な人形となったり、頭が紙袋になったり、
逃げ、追いかけ、迷い。。。。
いろいろなものに形を変え、突然消えてみたりする。
“世界の涯て”で二人が見た物は、たどり着いたのは。。。

そこに答えなど無い。
決ったあらすじさえないのだろう。
観た人が感じたままを受け入れれば良いのだ。

だんだん難しくなってきたと言われていたフィリップ・ジャンティ。
今回の舞台で、新たな方向へと動き出したのかも知れない。
観る人の心を刺激して、何かを感じさせる。
難しいことは考えずに、素直に感じれば良いのだ。
そんなことを思わせてくれた。

1992年の「漂流」以来、ずっと東京での公演を支えているパルコ劇場が、
今回の「世界の涯て Lands End」のミニムービーをYou Tubeに
投稿しています。
一体どんなものなのかわからないと言う人は、これを観れば
雰囲気が理解できるのではないでしょうか。

「世界の涯て Lands End」 (©パルコ劇場)

(追記)
e+からも別の動画が出ていたのでそれも紹介します。

「世界の涯て Lands End」 (©e+)



フィリップ・ジャンティ「世界の涯て」
posted by ツボ at 17:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月20日

4分間のピアニスト

刑務所に服役している囚人と、ピアノの講師として働いている
職員の物語といえばそれまでですが、二人の隠された過去が
入り混じって音楽に昇華したドイツ映画です。

いろいろと問題を起こすジェニーに、ピアノの才能を見出して
教えようとするピアノ講師のクリューガー。
なんとかレッスンをしてコンテストで優勝させようとする。
しかし、ジェニーはクラシックではなくて現代の音楽を弾きたいのだ。
クリューガーはそれを否定する。

お互いに隠した過去を持ちながら、ピアノのレッスンを重ねて行き、
コンテストを勝ち抜いて行く。
いよいよ決勝まで残ったジェニーに、陰謀によって暴力事件を起こさせる。

決勝まであと数日と言うところでジェニーは出場を止められる。
クリューガーもピアノ講師を止める事になった。
果たしてジェニーはコンテストに出場するのか。
二人が隠し続けた過去とは。。。。

と言いながら、最後のジェニーの演奏は、あるジャンルを超えて凄いものがあった。
この演奏だけでも一見の価値はあるだろう。
予想通りのラストシーンではあるが、分かっていても感動するものであった。

4分間のピアニスト
posted by ツボ at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月04日

フィリップ・ジャンティの新作

フランスの「フィリップ・ジャンティ・カンパニー」の新作
【世界の涯てLands End】がいよいよ公開される。
フィリップ・ジャンティは、日本の人形浄瑠璃や文楽に感銘した
フィリップ・ジャンティが作ったパフォーミング・アートの集団です。
殆ど無声で行われるパフォーマンスは、見る人一人一人によって
感じ方は拡がって行く。一応、プログラム上はあらすじが
書いてあるのだが、その通りに感じる必要は無いのだと思う。

人形だけではなく、使う素材にも凝っており、宙を舞う布などは
拡がり方、落ちてくるスピードまで計算されている。
更に、独特の音楽が幻想的な雰囲気を盛り上げてくれる。

東京では、パルコ劇場で11月21日〜12月2日まで12日間も上演されるほど
多くの人が期待している公演です。
残念ながら大阪では、当初の一日から二日間の公演になったものの
まだまだ浸透していないのでしょう。根強いファンは沢山いるのですが。
人口が違うと言えばそれまでですが、もう少しこういうアートにも
関心を持って欲しいと思います。
人形を使った人との掛け合い、マジック、ファンタジーなどの
要素を散りばめた異次元の世界を展開します。
昨年から公開されているこの新作は、本国フランスだけではなく
世界中の各国から賞賛されています。

大阪公演は、12月8日と9日。シアタードラマシティーで行われます。
一般発売は会場によって違いますが、大阪は10月28日からです。
「チケットぴあ」や「e+」では先行でプレオーダーを受付けています。


フィリップ・ジャンティ02
posted by ツボ at 14:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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