2007年04月13日

『BLACK BOOK』

先日、映画『BLACK BOOK』を見て来ました。
この作品は、スピルバーグの『シンドラーのリスト』、
ポランスキーの『戦場のピアニスト』と並んで評価されているもので、
オランダの監督ポール・バーホーベンの作品です。
バーホーベン監督と言えば、有名なのが『氷の微笑』『ショーガール』でしょう。

今までハリウッドで作っている時には、規制がいろいろあって
思うように作品が作れなかった、母国オランダに帰ってきてから
やっとこのような作品が作れるようになったということです。

舞台は1944年のオランダ。ナチスに占領されています。
このナチス占領下に、勇敢に戦い英雄視されていたレジスタンス。
そのレジスタンスの知られざる暗部を描いたものとして
ヨーロッパで評価されました。
ナチスのユダヤ人狩りから逃れて南部へと逃げようとした時、
何者かが情報を漏らして家族を失ってしまったユダヤ人の主人公である
女性歌手ラヘルは、ユダヤ人だとわからないように、髪を染め、名前をエリスに変えて生き延びようとする。
メンバーが一人減った時にレジスタンスに加わるかどうか聞かれると
エリスは参加すると答えた。
偶然のトラブルで、仲間を捕らえられてしまったレジスタンスは、
救出の為に動き出す。以前に列車で偶然ドイツ将校ムンツェと出会い、
気に入られた事を利用して、エリスをムンツェの元へスパイとして送りこむ。
そこで見たムンツェは、レジスタンスが恐れ、敵視している姿とは違い、
無駄な血を流す事を止めさせようとしていた。
ムンツェの優しい人柄に次第に惹かれてゆくエリス。

それぞれの中でうごめく陰謀・裏切り。。。。
戦争と言うものが人の心を変え、自分の身を守ったり、財産を得ようとして
陰で起きているものは何なのか。
一体誰が、何の為に。。。。

細かく書くと見る楽しみがなくなるので、さわりしか書けません。
最後の最後まで、誰が一番の裏切り者なのか、そして、
陰謀に惑わされて失ってゆくものたち。
心、家族(仲間)、財産、そして。。。命までも。。。

上映時間は144分と長いのですが、時間の長さを感じさせませんでした。
テンポが良いと言うのでもなく、引き込まれるといった感じでもない。
結論を求めるものや、何か事件が解決すると言うタイプの映画でもありません。
戦争映画と言う事で重たい感じも無い、ある意味で不思議な映画ですね。
史実に基づいて作られたものだと言う事も、大きな点だと思いますね。

僕の知っている範囲では、この映画はこれだけの評価があるにもかかわらず
テレビのCMを見た事がありませんし、あまり大きく取上げられていない。
でも、知っている人は知っているんですね。
平日にもかかわらず満員でした。
映画館が小さい事もあるけど、約100席の椅子はほぼ埋まっています。
観に来ている人は、時間的な事もあるけど年配の人たちが多い。
この映画が全てではないにしろ、戦争の事をいろんな角度から知ることは、
戦争を知らない僕たちにとっては必要な事だと思います。
大阪では、4月28日までは上映予定が決っています。これ以降は、
客の入りによって決るのでしょう。
内容の関係で、何回と無く裸のシーンが出てくるのでテレビでは
放送されにくいかもしれません。
興味のある方は、劇場まで足を運んでくださいね。

映画のHPは、画像をクリックすると飛びます。


BLACK BOOK

posted by ツボ at 20:21| Comment(2) | TrackBack(4) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月13日

リュック・ベッソン監督が引退宣言

僕の好きな映画監督の一人であるリュック・ベッソン監督が
突然12月13日より公開予定の次回作「Arthur et les Minimoys
(邦題:アーサーとミニモイたち)」を最後に、映画の世界から身を
退く意向を明らかにした。

「グラン・ブルー」で一躍注目を集め、「ニキータ」「レオン」と
ヒット作を連発した。
その後「フィフスエレメント」でミラ・ジョヴォビッチを起用し、
そのまま結婚した。
このベッソン監督は、以前にも「ニキータ」の主演女優の
アンヌ・パリローとも結婚しており、女癖はあまり良くない気がする。(笑)
映画監督と主演女優が結婚すると言うのは、日本でも「Shall We ダンス?」の
周防正行監督と草刈民代さんの例もあり珍しいことではないが、
ベッソン監督の場合はそれが如実に現れる。
もともと「レオン」を作ったのも、「ニキータ」で掃除屋(殺し屋)
として登場したジャン・レノの物語として作ったものでした。
つまり、ベッソン監督が気に入った人を使って映画をつくような感じです。
当然、監督はキャスティングする時に気に入った俳優を使うでしょうが、
ベッソン監督の場合はそれに「個人的に」と言う言葉がつくのでは
ないでしょうか(笑)
ミラ・ジョヴォビッチは次の「ジャンヌダルク」でも主演しています。

そして脚本の方に移り「TAXI」「WASABI」となってゆくのですが
「レオン」で大ヒットしてから、次第に娯楽の方へ向いていったような
気がします。昔のようにクールで緊張感のあったものではなく、
大衆に受ける映画に変わって来たようで、少し淋しい気持ちに
なっていました。やはり活動の場が、フランスからアメリカに
移ったせいなのかもしれません。

しかし、47歳とまだ映画監督としては若いのにいきなり映画界から
身を引くのはいささか勿体無い気がします。
もう少し年を重ねて、少し枯れてきた時の作品が見てみたい気がします。
ベッソン監督の事だから、また突然復活する事を期待しています。

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posted by ツボ at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月01日

ユナイテッド93(UNITED93)

今年も9月11日が近づく中で、映画「ユナイテッド93」を
観て来ました。
「良かったよ〜」とか「感動した」とか言える映画ではないです。
本当に観て来たって感じ。

ご存知のようにユナイテッド航空93便は、アメリカ同時多発テロの時に
ただ一つだけ目標に到達せずに墜落した飛行機です。
後から分かった話では、この飛行機はホワイトハウスに
突入するつもりだったようですから、もし墜落させていなかったら
とんでもない事態に発展していた事でしょう。

遺族全員に話をして映画化を承諾してもらったポール・グリーングラス監督。
目立つ俳優は一切使わずにそのとき機内で何が起きていたか
だけを忠実に描こうとした。キャスティングも実際の犠牲者と
似た人を探し、その人の癖までも再現すると言う懲りようで、
この映画を観た遺族のなかには犠牲となった本人そのものだと
涙する人もいた。
管制官には、実際現場にいた管制官も数人出演している。

この映画にはヒーローもヒロインもいない。それぞれの人を
ただひたすら追っているだけだ。あまりに淡々と描かれている為に、
テロリストさえも犯罪者と言うより一人の人間として見えてくる。
大統領の航空規制と朝の離陸ラッシュに巻き込まれて出発が
30分遅れてしまったユナイテッド93便。結果的にハイジャック
された時に、機内電話から他の飛行機もハイジャックされ
内2機がワールドトレードセンターに突入した事を知る。
団結してハイジャック犯に立ち向かおうとする乗客。
機内の様子を地上に伝えようとするキャビンアテンダント。
(乗務員の話はあまり出ていないが)
空の上で何が起こっているか掴もうとする管制官達。
異常に気付き攻撃許可を取ろうとする空軍。
使命に基づきホワイトハウスに向うテロリスト達。
それぞれの気持ちや思惑が入り混じった緊張感の中で
ストーリーは淡々と進んでゆく。
テロリストの隙を見て反撃に出た乗客たちの勢いに負けて慌て、
突入を断念して墜落させようとするテロリスト。
結果は既に知っているのに、早くコックピットに入って
操縦桿を上げろと思わず力が入ってしまう。
エンドはあまりにも現実過ぎて、自分の無力感を感じてしまう。

この映画はあくまでも想像の世界です。乗客や乗務員からの
電話で聞いた話をもとに、こうだったのだろうと言う状況を
再現したドキュメントのような物です。
でも、どこかが違うとか違わないとかではなく、こうだったのだろうと
素直に受け止められます。

絶対に観たほうが良いとは言いません。
まだ公開には早すぎると言う声も沢山あります。
でも、このテロに関心があって、ユナイテッド93便の犠牲になった
乗客・乗員40人の行動を見とどけたいと思うのなら見るべきです。
大阪では9月8日までしかしていません。(於:梅田OS劇場)

改めて、ユナイテッド93便の犠牲者を初め、テロで犠牲になった
数多くの犠牲者の冥福をお祈りします。

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ユナイテッド93
posted by ツボ at 18:38| Comment(3) | TrackBack(16) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月12日

映画「ヒート」

昨夜テレビで「ヒート」を観た。
映画館で観てから何回目かになるけど、テレビでやると
また観てしまうほど面白いですね。
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの2大スターの共演と
12分間にも及ぶロス市街での銃撃戦が有名です。
僕もこの映画が決定的になって、デ・ニーロが好きになったと
言っても過言ではありません。

映画館で観たときには、その迫力で気がついていなかったのですが
テレビだと登場人物にテロップが出るから気がついた。
アル・パチーノの娘役には、あの「レオン」でマチルダ役で
鮮烈デビューしたナタリー・ポートマンだったんですね。
そして、他にもヴァル・キルマー、ジョン・ヴォイト、
アシュレー・ジャッドなどそうそうたるメンバーが出ていたんですね。

大胆ながらスマートな犯行を行う組織のボス、ニール役のデ・ニーロと、
家庭を顧みない冷酷なまでの鬼刑事ヴィンセント役のパチーノの
宿命とも言える対決。男臭い映画です。

公開当時は、二人が同じ画面に登場せずに、後姿や遠くからの
ショットだった為に、一緒に撮っていないのではと噂されていた。
二人が仲が悪いという話もあり、それは謎になっていましたが、
ある人がメイキング映像で横から撮っているものがあり
ちゃんと二人で演技していたと言う事が分かりました。(笑)

アル・パチーノは壊れかけた家庭を元に戻したいと思っていたり、
逃げる時に荷物は少ない方が良いと恋人を作らなかった
デ・ニーロが本気で恋してしまったりと、タイトなストーリーの
中にもヒューマンなところを入れている。
もともと人は殺したくないと思っているニール(デ・ニーロ)だから
銃撃戦以外の残虐なシーンはまったくありません。
最初から最後まで息つく暇を与えないほどしまった映画です。

またテレビに登場したらきっとまた観る映画の一つですね。

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HAET01
posted by ツボ at 20:17| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月10日

囚人と看守の心理実験 映画「es(エス)」

昨日の深夜にやっていた「es(エス)」と言う映画
観るつもりは無かったけど途中でちょっと点けたら
最後まで観てしまって今日は寝不足です。^^;;

実際に物議を醸した心理実験。
被験者が囚人と看守になってどう言う心理状態に
なるのかを観る為の実験の映画版です。
自分達は役割を果たしているだけなのに
次第に囚人は看守に服従するようになり
看守はそれを良いことに言動がエスカレートしだす。
だんだん制御が効かなくなって、異常を外部に
伝えようとした人に対して仕掛けられた実験の罠だと考える。
もはや正常な思考能力は無くなり囚人達に対して
暴行を加えてゆく。
監視していた検査官までも襲いだした。
囚人達も身の危険を感じ出して暴動起こす。
最後には死者まで出してやっと治まった。

戦争中にもこれにいた行動が起こっている。
この前もイラク人に対して米兵の虐待が行われた。
ギリギリの状態では仕方が無いとする人もいるが
この映画の中でも、これは間違っていると気付き
立ち向かう人がいた。
誰かがそのことに気付かなくてはならない。

これは決して特別なケースではないと思う。
この普通の社会の中でも、立場や地位などによって
日常的に起こっていることなのです。
偶然昨日観たニュースでインタビューを受けていた
某政党の○○君のコメントもそう云う感じを受けた。
後ろにあるものの力や権力を自分の力と勘違いしてしまう。よくあることだ。
ひとたびそこから出て自分ひとりになった時に、
初めて自分の本当の力が分かる。
ネットも落とし穴があって、よく勘違いをしている人がいる。
かく言う僕もこうしてブログでいろんな事を書いている。
しかし、記事を書くときには自分で責任が取れることしか
書かないように常に気をつけています。
匿名性でもって人を非難したり、自分の力を過信しないように
して行かないと凶器となる。
常に顔の見えるブログにして行きたいと考えています。
人の心は弱いものです。しっかり自分を見つめていないとね。

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posted by ツボ at 17:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月22日

映画「シムソンズ」

カーリングをする少女達の青春映画「シムソンズ」
これは実際の物語をもとに創られたものです。
主演は、加藤ローサさんです。
モデルとなるのは、トリノオリンピックで日本中を熱くさせた
日本カーリングチームの小野寺さんと林さん。
この映画の公開初日に合わせて、日本チームは見事にカナダチームに
勝利すると言うオマケ付です。(笑)

実は「シムソンズ」の公式HPの中にムービーブログと言うのがあって
“つっこみ日記”というコンテンツがあります。
これは映画のシーンやオフショットのVTRにみんなが勝手に
ツッコミを入れると言うものです。
採用されて(問題発言・誹謗・中傷で無ければ採用かな?)

面白い“つっこみ”をしてくれた人には、
シムソンズの4人のサインと、
あなたの為だけに特別に撮ったメッセージを入れた、
最新ビデオiPodを1名様にプレゼント!!

というものです。^^
勿論、ツッコミ好きの僕もすぐに突っ込みました(笑)
もう既にアップされています。
「名前のところはタイトルの方が良いかも」と
プロデューサーさんが言っていたので探しても僕の名前は
ありませんからねぇ〜〜^^v
でもすぐに分かるか(笑)
みんなもやってみましょう。

ところで、この「シムソンズ」とは別の映画でトリノの
5人が映画に出演するかもと言う話が出てきたようです。
2007年3月の世界選手権の開催地・青森を舞台にした映画の
撮影協力を日本カーリング協会に依頼らしいんですね。
但し、「撮影依頼=カーリングの5人が出演」とは限りませんので
あくまでも可能性ですよ。(笑)

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シムソンズ

posted by ツボ at 16:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月06日

るにん

昨日は、近くのホールで「第一回おおさかシネマフェスティバル」が
あったので、ちょいと行って来ました。
金曜日から3日間やっていたようです。
僕が観に行ったのは入選作品ではなくて、新作プレミア上演の
奥田瑛二監督作品「るにん」です。
俳優の奥田瑛二が監督をした第二作目の作品です。

上映前に大森一樹監督とのトークショーがあり、
この映画についての話を聞いてから観ました。

出演は、松坂慶子、西島千博、小沢まゆ他

るにん
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posted by ツボ at 17:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月02日

ダニーザードッグ

昨日は雨が降りしきる中
「ダニー・ザ・ドッグ」を観に行ってきました。

脚本がリュック・ベッソン
共演者にモーガン・フリーマンが出るとあったら
見ないわけには行かないでしょう。(笑)

あらすじはあまり細かく言えないので、
映画に添った形でさわりだけ・・・


ダニー・ザ・ドッグ01ダニー・ザ・ドッグ02


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posted by ツボ at 14:50| Comment(2) | TrackBack(9) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月01日

「サハラ」を観て来ました

昨日急遽「サハラ」を観に行ってきました。
知人が映画館のタダ券があるけど行く?って聞いたので
行くよって言ったら何とそれが昨日までの券。
もっと早くくれよ〜〜^^;

実は前から今日別の映画を見に行く予定だったから
連荘になっちゃいました。^^;

で、何がやってるかと調べたら「サハラ」
なになに・・・
アクションものか、まあドカーン、ドカーンで
スッキリするかって感じで観に行ってみた。


サハラ






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posted by ツボ at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画・演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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